上善水の如し［ONE PIECE］ (ページ21)

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第19話ページ21

ゾロと呼ばれた緑頭の剣士の前には、スモーカーの部下であるたしぎ曹長が、ルフィの前にはスモーカー自身が立ちはだかる。

……あれ？私ルフィと戦えないじゃん……

「…ってことは流れ的に、私の相手は君だよね？」

私はサンジと呼ばれたぐるぐる眉毛君の方を見て言った。

「こんな美しいレディに手を出せるわけがない！」

「口がお上手なこと。でも気分が良いから今回は見逃そう！」

「心も広い！！なんて素敵な女性なんだぁ～！」

「えー！？サンジだけずりぃ！」

「いやー、だって私がいなくてもスモーカー1人で十分じゃん？大体海衛府は秩序さえ保たれてれば海賊なんてどうでもいいし」

「お前な…」

スモーカーは呆れ顔だが、実際そうなので仕方ない。

「まぁ、見てるからガンバ」

そう言い残してルフィたちから少し距離を置く。

変に戦いに巻き込まれたくもないしね。

「俺たちは偉大なる航路(グランドライン)に入るんだ！邪魔すんなケムリ！！」

「馬鹿言ってんじゃねぇ。テメェらの船旅はここで終わりだ！」

ルフィとスモーカーが互いに戦い始めた。

ゾロとたしぎも戦っている。

サンジはどうやら先に行ったらしかった。

「ゴムゴムのぉ！！」

「効かねェ」

スモーカーはモクモクの実のケムリ人間。

覇気が無ければ攻撃は通らない。

それに海軍の中でもかなりの実力者と聞く。

今のルフィじゃ敵わない敵だろう。

遠間から手に汗を握りしめてそれを見ていると、電伝虫が鳴った。

ポケットからそれを取り出し、受話器を取る。

「…はい、こちらA」

「あぁA、貴女今どこにいるの？」

相手はプレイズ上等官だった。

「どこって…処刑台付近です」

「近くに誰かいる？」

辺りを見回す。

海軍と海賊がゴチャゴチャに戦っているのが見える。

「海軍と海賊がいます。戦っているのでこちらには見向きもしてませんが」

「じゃあ一度しか言わないからよく聞きなさい。………今この街に、貴女の調査対象がいる」

「…え？」

調査対象って…革命軍のこと？

いや、延いては革命家・ドラゴン…

私の父のこと………

「真偽は不明よ。街の人の情報だから」

「でも、らしき人はいたってことですよね」

「まあね。……さあA、早速仕事よ。私について来てよかったでしょ？」

「う、うーん…」

よ、良くはないんだけどなぁ………