上善水の如し［ONE PIECE］ (ページ11)

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第10話ページ11

～inネイビーシャロウ・海衛府本部(総長室前)～

総長って誰やねん！！って思ったそこの貴方のために、少し説明しようと思う。

総長とは、海衛府で一番の権力を持つ人の敬称だ。

総長の名前はゴクエン。

ヒトヒトの実・モデル閻魔を食べており、“調停者”という通り名を持っている。

海軍元帥の“仏のセンゴク”とよく対比されたりもする。

…仲が悪いという訳ではないらしいけど…。

それから、これは余談だが…

総長はめちゃくちゃ怖い人だ。

威圧感という意味でももちろんそうなのだが、何より顔が怖い。

強い海賊や天竜人、サイファーポール、海軍も怖い人はたくさんいるが、この人の怖いは少し毛色が違う。

とにかく人相が悪い。

子供が写真で見ただけでも泣くレベル。

まぁ、私はこれからその当人に会うわけだけれど…

「用事ってなんだろ…」

中等官や上等官なら会議とかで顔を合わせることもあるだろうけれど、私みたいな下等官、それも経験の浅い下等官が話したことなどあるはずもない。

「失礼します」

この意味も分からず校長先生に呼び出されたときのような気持ち。

声は強張り、顔は少し引きつっている。

扉を開いて中に入ると、イスに腰掛けたゴクエン総長がいた。

「待っていたぞ、A下等官」

低い、地響きのような声がする。

「明後日マリンフォードにて海軍・海衛府の合同会議がある。お前も一緒に来い」

「…へ？失礼ですが、何故私が…？」

「行けば分かる。とにかく準備しておくように。明後日までの仕事は他の者に回しておけ」

ラ、ラッキー。仕事が減った！！

「分かりました」

一礼して、退出する。

会議…会議か…。

海衛府会議でなく、海軍と合同となると確か海衛府は上等官以上、海軍は大将以上が出席対象だったはず…。

…？そんなやべーとこに参加していいのだろうか…？？

まともに会議なんて仰々しいものに参加したことなんてないから、堅苦しい服も持ってない。

か、買いに行かなくては…。

そう思い部屋に戻ってコートを脱ぎ、私は街へ向かった。