上善水の如し［ONE PIECE］ (ページ38)

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第35話ページ38

「ついたぞ！！“ユバ”！！」

船を降りると、そこには一面の砂漠が広がっていた。

建物は崩れ落ち、木々はみな枯れている。

「ルフィ、まだここはユバじゃないよ」

「Aさんの言う通り。ユバにはここから歩いて半日かかるの」

「半日も！？」

それにしても酷い有様だ。

かなり街は荒廃している。

「こんなことになっていたなんて……常駐していた水士は何をしていたんだ…！」

この状態を見逃していたなんてあり得ない。

怒りすら覚えるものだ。

私たちの役目は民を守ることなのに、それが出来ていなければ存在価値がなくなってしまう。

「海衛府ももちろん動いたわ。でも報告のために島を出た人たちはみんなB・W(バロック・ワークス)に殺された」

確かに水士全員が戦闘経験があるとはいえ、その戦力は海軍の三分の一に過ぎない。

自然災害などから人々を救うことは誰よりも長けているが、対人だとどうしても本領発揮できない部分がある。

恐らく倒すか守るかという心持ちの問題もあるとは思うけど……。

「それは事故として処理されたのか…？つくづく政府って無能だな……」

「「！？！？」」

……ん？

「え、なんか変なこと言った？」

みんなの顔がみるみる青ざめていく。

ウソップとチョッパーは、冷や汗をかきながら呻き声のような声を上げた。

「いや、そんな軽々しく政府を敵に回すような発言を…」

「それも海賊ならともかく、海衛府の官士が…！」

あ、やべ。

うっかり口に出してたか。

「じゃあ今のなし！」

「「ええええええーーー！？！？」」

あー、相手が海賊で良かった。

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話によると、クロコダイルの手によって“ダンスパウダー”……別名“雨を呼ぶ粉”をアラバスタの首都であるアルバーナにばら撒くことで、国王の信用をガタ落ちにし、王国転覆を狙っているらしい。

それが国民の反乱を招き、王国と反乱軍の対立が今なお続いてるのだとか。

「……すみません、全然知りませんでした…！もっと早くに海衛府(私たち)がちゃんと動けていれば……」

「………！」

地に頭をつけ、ビビ王女に詫びる。

本来ならこんなこと、あってはならないのだ。

二度と同じ過ちをおかさないためにも、何としてでもこの任務を達成し、援助の要請をする必要がある。

これ以上この国から被害者を出す訳にはいかない。