上善水の如し［ONE PIECE］ (ページ27)

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第24話ページ27

「ところで話は変わって報告があるんですが」

「何？」

「先程海賊たちが処刑台付近で暴れていて、海軍が戦っていたという話をしたと思うんですが」

「ええ、聞いたわ。貴女の話の後に他の水士から詳細も聞いた。それがどうかした？」

「その………なんか海賊に逃げられたらしく、持ち場を離れて追いかけていきました」

「………まさか、もう出港したとか言わないでしょうね」

そのまさかです。

「お言葉ですが、「そういうのは早く報告しなさい！」はい！！ごめんなさい！！！」

仕方あるまい。

だってこの街に来てから様々なことが止まることなく起きたもんだから、報告する暇などなかったのだ。

「うーん……一時的な警備と思ってこの仕事を引き受けたのだけど、期間が延びそうなら誰かに仕事を交代してもらう必要があるわね…」

プレイズ上等官はチラリと私の方を見る。

まさかこのまま私に引き継がせる気なのでは？？

それは困る。

せっかく革命軍の秘密調査というサボりがバレなそうな任務を頂いたのだ。

それにあやかりたい。

面倒くさくなる前に逃げよう。

「それでは上等官、失礼します！！」

「うふふ、待ちなさいA。逃がさないわよ」

しまったここまでか……。

逃走を諦め、腹を括る。

「A、本部に戻りなさい」

「……へ？」

これは予想外の展開だ。

「実はさっきニードから連絡があってね。貴女にやってほしい仕事があったらしいけど、あたしが勝手に連れてきちゃったから……。用事が終わり次第速やかに帰ってこい、だそうよ」

な、なんだ全然違ったぞ……

「仕事押し付けられるのかと思いました……」

「失礼ね。…まぁいいわ。代わりならこっちで用意するから大丈夫よ。護衛艦を一隻貸してあげるから、やることがなくなったならそれで本部に戻りなさい」

「了解です」

押し付けられはしなかったけど、結局仕事じゃん。

内心文句を言いながら、私は本部にトンボ帰りした。

その最中に甲板で、ここ最近のことを思い返す。

エースのこと。

政府のこと。

革命軍のこと。

ルフィのこと。

「私も出世したなー」

ぼんやりと、そんなことを考えた。

今後私はどうしていけばいいのだろう。

海賊、海軍、革命軍、海衛府……。

兄弟、父、祖父、仲間たち…。

一体私は、誰の味方につけばいいのだろう。