【ワールドトリガー】双子の片割れ (ページ2)

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1話ページ2

ユ「ほらほらお姉ちゃん、早くしないと置いてっちゃうよ！！」

森の中を颯爽と駆けて行くのは私の双子の妹であるユイ。
敵の後ろに回り込んで奇襲するという大事な任務の最中であるにも関わらずとてもうるさい。

『もうすぐ敵の砦に着くから静かにして』

ため息をついてそう言い、ユイに追い付いてからその口を塞いだ。
そしてもう一度作戦の内容を伝える。

『相手の基地を荒らせるだけ荒らしたら体制が整う前に自分達の砦に戻る。これが今回の作戦ね。分かった？』

ユ「もー、分かってるってば！早く行こうよ！！」

"私たちなら簡単にできるでしょ？"
その言葉にふふっと笑って頷き二人で一緒に敵の砦に飛び込んだ。

* * * * * * * * * * * *

ユ「なになに～？遊真また敵にやられそうになったの？」

私が上の人に今日の働きを報告しているときに、またユイが遊真に絡んでいた。
どうやら今日遊真は敵にやられそうになったらしい。

「今日は本当に助かったよ！さすが飛鳥さんの子どもだね！」

飛鳥とは私の母のことだ。どの国でも知られているくらい強くてトリオン能力が異常に高かった。という話を有吾さんに聞いた。

実を言うと、私たちを産んだときに亡くなったらしいので顔すら見たことがない。

『いえいえ、皆さんのおかげですよ。失礼します』

謙遜しつつ頭を下げてその場を立ち去る。
ユイがあの性格だから私がしっかりしないと何を言われるか分かったもんじゃない。

『.....ユイ、今から特訓しに行くんだけど来る？』

首に腕をかけてまだ遊真に絡んでいるユイにそう声をかければ、その腕をパッと離して勢いよく行くっ！と言って抱きついてきた。

ユ「10本勝負ね！！」

『......はいはい。負けても泣かないでね』

10本勝負とは私たちが小さいときからやっている訓練方式？だ。
毎回私が勝ってもう一回と駄々をこねるユイはめんどくさいが可愛くもあった。

ユ「お姉ちゃんこそ負けても泣かないでね」

ユイは、ニッといたずらっ子のような笑みをうかべていた。