ある意味奇跡 (ページ49)

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一寸先は闇ページ49

ここは箱庭

狭い狭い箱庭

飾りのついた安物の駒が多く並ぶ

こんなちっぽけな世界ならば

動かすなんて他愛もないこと

今の私は

その箱を開けて上から眺めること

これさえしていればいい

(ちゃんと順調に進んでいる)

確信に似た手応え

ノゼル様はエミルを最有力候補にした

浮かれるエミルたち

そして

私を認める多くの支持者たち

「A、何してるんだ」

「あら、フレゴレオン様。紅蓮の獅子王の皆さんもごきげんよう
お散歩ですよ。ここの庭園は美しいので」

「はははっなら良かった」

いつも豪快な方

思慮深く包容力もある

部下たちも幸せでしょうね

「A様、この間はどうも。お陰で鍛錬が捗りました」

「お役に立てて何よりです」

部下の一人からお礼を言われる

「ここまでできるのに魔法騎士団に入らなかったのが惜しい」

「今からでも遅くないのでは？」

「ふふふ、お褒め頂き光栄です」

それぞれの団には特色がある

紅蓮は歴代ヴァーミリアン家が行くからか真面目で熱血な人が多い

まぁ、メレオレオナ様いるから不真面目じゃ殺されちゃう

相手がどういう人かを考えて先読みする

そうすれば支持者なんて簡単に増やせるし
人は一度信じると疑わない

逆に

「………先ほど王権派が来ておりましたが大丈夫ですか？」

一度疑うと簡単に信じられない

「なにがですか？何もありませんよ」
少し眉を下げて微笑む

エミル、貴方は昔から味方を作るのがうまかった
その上での余裕でしょうね

その余裕が命取りだとも知らずにね

気をぬくから足元をすくわれるのよ