ある意味奇跡 (ページ41)

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誰も知らないページ41

なんでだろう

同じ家

同じ教育

同じ躾

環境は一緒だったのになんであの人たちと私はこんなに違うのかしら

「私たちはもう戻りますので」

「あら、残念ですわ」

心にもない言葉ってこういうことね

ノゼル様と足早に立ち去る

「………ノゼル様はよろしいのですか？」

「構わん。もとより酒が好きではない」

あ～この人お酒弱そうだもんね

「………仲良くないのか？」

「………どうなんでしょうね」

もともと最初から何かが違っていた

狭い領地の中の6人兄弟
その4番目

真ん中あたりに生まれてきたからか
そういう性分だったのか

周りを観察するのが癖だった

そのせいかどこか冷めていた

バカバカしい

周りがいいというものを心のどこかでそう見ていた

決定打となったのが

お父様のした借金

私から見たらすごく立派なことだ

でもお兄様たちには違ったみたい

「救うのが領主の仕事なら捨てるも仕事ですよ？」

「財産を投げうって領民を助けてしまうなんて
私たちの生活をなんとしても守るべきではないのですか？」

ほかの貴族連中が言ったらすぐに罵倒しただろう
心無い役立たずと

仮にも同じ家の人間相手にはその気が起きない

ただひたすら理解できない

そう考えるとヴァーミリオンレオレオ兄弟はすごいな

シンクロ率100%だよ

どっから見ても兄弟だってわかるもん

1人だけ飛び出てるけど

異母兄弟とか複雑な事情はない

それなのになんでこうなのか