ある意味奇跡 (ページ27)

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踊りましょうページ27

意外だった

ノゼル様が気づくのはもっと後の予定だったのに

まだ話が進まないうちに手を明かすとは

ヘソ曲げてエミルを絶対選ばないなんてしなきゃいいけど

まぁ、したって無駄よ

私の思い通りの候補がほかにいないんだもの

もしほかが来たって叩き潰せばいいわ

ノエル様がお昼寝中はよくお出かけする
(帰りが遅くなると泣いちゃうから早めに帰るけど)

呑気に平界の街中歩いていると

「あっ、変な前髪の恋人だ」

すんごい衝撃がぶっ込んで来たよ

生まれて初めてこんな呼ばれ方したよ

見なくても誰だかわかる

「………ごきげんよう、ヤミ様」

今私の顔がちゃんと笑えているか心配だ

「この間はどうも

私Aと申します」

名前教えたんだからもうあんな呼び方しないでね

「よう。ノゼルは一緒じゃねぇの？
ってあいつはこんなところこねぇか」

あの人は王都から出ませんよ

「1人でお散歩ですよ」

「王族がお供も連れずに？
変わってんな」

私王族じゃありませんから

没落寸前貴族ですから

「街の様子を見るのが好きなんです

ヤミ様は任務ですか？」

「いや、今日はギャンブルしに
今日は勝てる気がする」

うわぁ。魔法騎士がギャンブルか

「負けることあるんですか？」

「先週、パンツまで賭けることになったわ」

相手はなんでそれを了承したんだ

賭けにならないと思うんだけど

でも

「付いて行っていいですか？」

どんなところなんだろ

「………お前絶対やったことあるだろ」

「ありませんよ」

結果私1人ボロ勝ちだ

「嘘つけ。ビギナーズラックにもほどあるわ」

ギャンブルは要は腹の探り合いと確率の計算ができれば大体勝てるようになってる

どっちも得意なんです

「連れて下さったお礼に奢りますよ？

どっかお店案内してくださる？」

お話ししてみたいしね

「お前家帰らなくていいの？」

もうノエル様は起きてるし帰ったら怒るんだろうな

「どうせ怒られるなら思いっきり楽しんでからでいいかと」

「なるほどな。よしっ飲むか」

私もあなたも未成年ですよ

それからいろんな話しした

異国のこと、魔法騎士団のこと

「ユリウス様の団にいらっしゃったんですね」

「おう、あのおっさん知ってんの？」

おっさんって、、、

「もちろん知ってますよ」

私が唯一尊敬する方

「それにしても意外だな」

「何がですか？」

「お前全然ノゼルの婚約者っぽくない」