No.1 『序章』�� ページ1
「ふ、あ……？」
俺、こんなに声高かったっけ？
欠伸をして、その違和感に気づく。
Nakamuは声が高いから覚えやすい、とTwitterの布教用ファンアートには必ず書かれるほど、自他ともに認めるくらいにNakamuの声は高い。
それよりさらに高い声が、自身の喉から出た。
さながら変声期を迎える前の、少年のような幼い声。
「あー、あー。んんッ」
間違いない。これは自分の声ではない。
思春期を迎えた男児ならば少なからず隆起しているはずの喉仏も、何度触れどその存在はない。あるにはあるのだが、どう考えても子どものものだった。
「え……えッ！？」
いつもより高い声と子どもの喉仏、そしてとうに失われたはずのもちもちな肌に、Nakamuはただただ混乱していた。
＊
「やけにはっきりした夢だな……」
ずっと頬を引っ張って刺激を与えているが、現実世界の自分は目覚めそうにない。
そのうち起きるだろうと諦めて部屋を見渡せば、その間取りや家具だったりが自室のものと随分違う。
例えばパソコンや撮影器具の代わりに、久しく見ていない教科書類が勉強机の上に積まれていた。平仮名と片仮名、少しの漢字で綴られているそれは、見たところ小学3年生のものらしい。
それらの名前欄は油性ペンで『中目黒睦月』と辿々しく埋められている。
よく睦月って書けたな。
そこで気づく。
「もしかして俺、入れ替わってる！？ ……いや君○名はかよ」
中目黒睦月。
それが今の自分の本名、ということになるのだろう。
TRPG思い出すな〜、はは。本当は呑気にこんなこと思っちゃいられないのだが。
いつも通り撮影を終わらせ、明日の会議に出す次の企画を練り、時計を見るとあら不思議。日付が変わっている。前日派手に動いたわけでもないのにひどく疲弊していた身体を風呂に入れさせることもなく、そのままソファーで寝落ちした。 たぶん。
「まあここ日本っぽいし。なんとかなるだろ」
Nakamuの知識では、転生や成り代わりは異世界へと飛ばされるのがお決まりだったので、これは不幸中の幸いと言えよう。
まだ外は明るい。Nakamuは外の様子を確認しようと軽くなった腰を上げた。
結論から言えば、今いる日本はNakamuの知る日本とまったく変わりなかった。
アスファルトで舗装された道路と、見慣れた住宅街は自身が知るものと一致するし、家電の三種の神器たるテレビ・冷蔵庫・洗濯機も家にはあった。
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銀(プロフ) - 江華。さん» ありがとうございます〜！ 気長にお待ちいただければ嬉しいです〜 (2023年3月9日 22時) (
レス) id: 321732a1a4 (このIDを非表示/違反報告)
江華。(プロフ) - めっちゃ好きです！WTとMHAのクロスオーバーがあまりないのでとても嬉しいです！此れからも頑張ってください！ (2023年3月8日 20時) (レス) id: e323a33df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀 | 作成日時：2022年12月1日 22時
