６.友の頼み ページ7
私は捕らえた熊を焼いて食べることにした。
灯した火で焼き、火の近くに座って食べるだけという、なんとも寂しい作業。
寂しいとは思いながら、空腹だったため、味わう余裕もなくガツガツと食べる。
もしもここに、嫌われ者の友人が居れば、きっと私に言うのだろう。
「品のない食べ方だね」
と。
……ん？
声のした方を見ると、そこには友人、ギムレーがクスクスと笑って立っていた。
うん、どうやら私は、恋しさのあまりに友達の幻覚を見るようになってしまったようだ。
友達依存症だろうか……医者に行かなければ！
「何を勘違いしているのかは知らないけど、ろくでもない妄想をしているのは分かった」
グサグサを人の心をえぐる友人だ。
「……もしかして、本物のギムレー？」
「もしかしなくても本物だけどね」
見下すような冷たい視線が、私に突き刺さる。
「でも、何でここに？」
「……君を探しに来てあげたんだよ」
若干上から目線な気がしなくもないが、ここは心優しい友人に素直に感謝しよう。
「……それより、キミの本体はどうしたの？あんなにどデカイだけの置物を隠すなんて難しいんじゃない？」
「君は僕の本体をそういう風に思っていたのかい……。過去に遡ったせいで、僕のギムレーとしての力がほとんど失われてしまったんだ。ということだから、僕の護衛を頼んだよ」
「キミは私をそんな風に思ってたのか……。まぁ、別にいいけど。友として、その頼み引き受けようじゃない」
私が胸を張って言えば、ギムレーはまたクスッと笑う。
声も見た目も良いために、その仕草１つ１つに色気がある。
女である私よりも……。
「く……負けた……！！」
「突然何を言い出するだい……」
ギムレーは呆れたようにため息をつく。
イケボめ……！
「ほら、行くよ」
私の手を掴み、ギムレーは森のさらに奥へと足を進める。
彼を間近で見ると、身長は高いし、肌も綺麗で顔も良い。
人間なら絶対モテたよ？見た目人間だけど。
それにひきかえ私は、身長は低いし肌は切り傷だらけで、胸はな……いわけじゃないが小さいので、見た目が完璧な彼に負い目を感じる。
「どうかしたのかい？」
ガン見していたので、ギムレーが迷惑そうに顔をしかめて言う。
「何でもない」
そんな彼が、私と歩幅を合わせて歩いていたなど、私が気付くことはなかった。
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自分の色気のなさを感じる夢主さんでした。
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005(プロフ) - とても感動しました！すごくシリアスな展開からのハッピーエンド素敵でした！ (2018年4月21日 21時) (
レス) id: 1fcd95cf50 (このIDを非表示/違反報告)
やまたこ - 面白かったです100点！ (2018年4月16日 7時) (レス) id: 4e05d1b0ac (このIDを非表示/違反報告)
リムス(プロフ) - 書き人知らずさん» こちらこそ、コメントをくださりありがとうございました。この物語を読んでくださり、ありがとうございます。 (2018年3月23日 12時) (レス) id: 27e40c194f (このIDを非表示/違反報告)
書き人知らず(プロフ) - 感動する物語をありがとうございました。 (2018年3月23日 11時) (レス) id: bdbb5f59e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リムス x他1人 | 作成日時：2018年3月1日 22時
