２４.初めての ページ27
僕はリュヌを連れて、ファウダーたちの元に降り立つ。
「ギムレー様！？なぜそんなびしょ濡れに？」
僕を見つけたファウダーの部下、インバースが驚いたように僕に駆け寄る。
「そんなことはいい！リュヌを……！」
インバースは、僕の腕の中で苦しそうに息をするリュヌを見る。
「かなり衰弱していますね……分かりました。あとは私たちにお任せを」
僕はインバースにリュヌを預け、部屋の準備をする。
「ギムレー様？そのお姿は一体……」
部屋に向かっていると、途中でファウダーに見つかってしまう。
雨でびしょ濡れになった僕を見て、かなり驚いているようだ。
今はあまり会いたくはなかった。
「インバースに僕の友人を診てもらっている。後で我の部屋に連れてくるように伝えてくれ」
僕はそう言い、自分の部屋に向かう。
部屋はあまり使わないため、散らかってはいない。だから、僕が部屋でやることは何もない。
僕が今、彼女のために出来ることは何もない。
初めてだ。僕がこんなに無力さを感じたのは。
何が、邪竜だ。何が、神だ。
僕は彼女のために、何もできないじゃないか。
そんなことを思いながら、僕は服を着替えるために風呂場に向かう。
リュヌのこともあるため早めに上がり、服を着替えて部屋に戻る。
部屋には、白いワンピースに着替えさせられベッドに横たわるリュヌと、彼女の側で椅子に腰掛けて様子を見るインバースがいた。
「ギムレー様」
インバースは僕に気付くと立ち上がってお辞儀をする。
「リュヌの様子は？」
「疲労と睡眠不足によるものです。命に別状はありませんが……２,３日は目を覚まさないかと……」
「……そうか、分かった。これからは僕が彼女を見る。君はもう下がってくれ」
僕が言うと、インバースは何か言いたげな表情を浮かべたが、すぐに部屋を出て行く。
「起きてよ、リュヌ」
今もベッドに横たわるリュヌの隣に座り、僕は彼女に声をかける。
『ギムレー！』
今にも聞こえてきそうな、彼女の声。
「早く、起きてくれないかな？」
僕は不眠不休で、彼女の隣にいた。
それが３日ほど続いたある日、僕は寝不足で倒れてしまい、医療室で寝かされていた。
それを見つけたファウダーは、リュヌを追い出すように言ってくる。
「黙れ！お前には関係ないと言っただろ！！」
僕は医療室から抜け出し、自室に戻る。
扉を開けると、そこには相変わらず顔色は悪いが、起き上がったリュヌの姿があった。
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005(プロフ) - とても感動しました！すごくシリアスな展開からのハッピーエンド素敵でした！ (2018年4月21日 21時) (
レス) id: 1fcd95cf50 (このIDを非表示/違反報告)
やまたこ - 面白かったです100点！ (2018年4月16日 7時) (レス) id: 4e05d1b0ac (このIDを非表示/違反報告)
リムス(プロフ) - 書き人知らずさん» こちらこそ、コメントをくださりありがとうございました。この物語を読んでくださり、ありがとうございます。 (2018年3月23日 12時) (レス) id: 27e40c194f (このIDを非表示/違反報告)
書き人知らず(プロフ) - 感動する物語をありがとうございました。 (2018年3月23日 11時) (レス) id: bdbb5f59e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リムス x他1人 | 作成日時：2018年3月1日 22時
