プロローグ ページ1
聞こえるのは、人々の悲鳴。
見えるのは、命を焼き尽くす炎。
匂うのは、鉄と肉が焼ける匂い。
感じるのは、肌を焼く熱さと痛み。
口に広がるのは、己の血の味。
生物の持つ五感がすべて、絶望に染められる。
そんな中で、白く短い髪に、血のように真っ赤な瞳をした青年が、私に向かって微笑む。
整った顔立ちをしている彼の微笑みは、美しく怪しい。
私たちは彼を、破滅と絶望の竜と呼ぶ。
「僕の下僕にしてあげようか？」
そう言って、彼は私に手を差し伸べる。
そんな彼の髪を、爆風が揺らす。
それでも彼は気にした様子もなく、真っ直ぐに私の目を見る。
その瞬間に、私は彼に、キミに惹かれた。
それはたぶん、キミの赤い瞳が、とても哀しそうだったから。
破壊衝動しか自分にはないとキミは言っていたけど、本当にそう？
キミはきっと、寂しいのだと思う。
眩しい世界が辛いんでしょう？
自分とは違う、正反対の世界が。
邪竜の現身と呼ばれるけど、私から見ればキミはただの子供だった。
親からも友達からも見放され、世界から取り残されてしまった小さな子供。
だから私は、キミから伸ばされた手を掴んだ。
「下僕は嫌だ。友達になろうよ」
このとき私は、この世界で最も罪深い人間になった。
世界を破壊する邪竜に背を預けた大罪人。
私の名前は、リュヌ。
フランス語で月を意味する私は、闇の世界のキミと共に歩むことを選んだ。
______________________________________
ルフレやエクラはフランス語で輝きを意味すると聞いたので、夢主さんの名前はこちらで決めさせていただきました。
申し訳ありません！
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005(プロフ) - とても感動しました！すごくシリアスな展開からのハッピーエンド素敵でした！ (2018年4月21日 21時) (
レス) id: 1fcd95cf50 (このIDを非表示/違反報告)
やまたこ - 面白かったです100点！ (2018年4月16日 7時) (レス) id: 4e05d1b0ac (このIDを非表示/違反報告)
リムス(プロフ) - 書き人知らずさん» こちらこそ、コメントをくださりありがとうございました。この物語を読んでくださり、ありがとうございます。 (2018年3月23日 12時) (レス) id: 27e40c194f (このIDを非表示/違反報告)
書き人知らず(プロフ) - 感動する物語をありがとうございました。 (2018年3月23日 11時) (レス) id: bdbb5f59e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リムス x他1人 | 作成日時：2018年3月1日 22時
