ドウセイチュウ -Ren.N-

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そのまま逃げなかった私に重なった唇。
思考は停止して、私はされるがまま。









わからない。何がどうなっているのか。



好きって言った･･･？
なにこれ･･･、






ちゅ、と音が鳴り響く。
はむはむと何度も唇を挟まれる。









「っ･･････、」





あまい、気がする。
少しの刺激に身体がビクンと揺れる。







やっと、離れた唇。









「･･･なんか言ってや、」







発された言葉。







･････････なんて切ない顔をするの、









【廉 Side】







求めてしまった。

あまりにも、軽率な出来事。





ちょっとの嫉妬だなんて、大人なのに。

ガッついたかな、気持ちが溢れて止まらないとは。






いっつも偉そうな顔して踏ん張ってるくせに、ちょっとキスしただけでうるうる目を潤ませてどうする気なの。









嫌なら殴れと言った。

彼女は殴らなかった。
唇は触れてしまった。






･･･これは。







でも身体は手に入っても気持ちが届いてないよね？








気持ちがないと、何の意味もないんだよ。



嬉しくて舞い上がりそうな気持ちは頭を殴られたみたいに急降下する。









「なんか言ってや･･･、」




"なんか"だなんて。
好きの二文字しか求めてないくせに。






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