30 ページ30
.
「オレのAにそんな汚れた手で触らないでもらっていいですか?」
・・・は?オレのもの?
コイツはAと付き合ってんの?
いやいや、付き合ってるのは俺だろ、
さっき、昼ごはんはパスタを食べたとかどうでもいいような愛らしいメールが送られてきたばかりなのに。
分かっているのに萎縮してしまう。
なぜこんなにこいつは自信があるのか。
なぜ付き合っているはずの俺が戸惑うのか。
・・・それは罪悪感からか。
今までこんなに考えたことがないというぐらい頭の中が渦巻いている。
目の前は二つに分かれていて、どちらも選ぶなんてことは出来ない。
・・・気ままに過ごしてきたツケが今回ってきた。
巻き込んだのは俺たちだ。
彼女たちは何も悪くない。
・・・じゃあ、俺らで解決しようか。
振り向く必要は無いよね?
「・・・Aとは別れる、
っ・・・、」
Aをよろしく、なんて
言えるかよ、ダサい。
決まったんだ。
もう用事はない。
ガタッと席を立った。
「・・・払おうか?会うのも最後だろうし?」
俺が見下ろしてるはずなのに、また余裕そうに茶化す。
「いい、」
腹が立って、お金を強く机の上に置いて店を出た。
そんなので勝てるなんて思ってもいない。
後悔?
してるかもね、でも自分が招いた結果だよ。
「あーあ。いつ切り出そうかな・・・」
あんな自信満々な男が側についてるんだ。
俺のことなんかすぐ忘れるだろうし、きっと、Aは幸せになるだろう、
振り返ることはない。
自分がしたことは、忘れないように刻まれた。
革靴が音を鳴らした。
.
2228人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
taka(プロフ) - とても気に入った作品でした。続きも読ませていただきたいので、パスワード教えて下さい。よろしくお願いします。 (2019年4月17日 8時) (レス) id: 4f1a145989 (このIDを非表示/違反報告)
yun - パスワード教えてほしいです。よろしくお願いします。 (2018年12月25日 5時) (レス) id: ce908dd024 (このIDを非表示/違反報告)
tomo(プロフ) - とっても好きなお話でした。ぜひ続きも読ませていただきたいのでパスワードを教えて下さい。よろしくお願いします。 (2018年8月27日 21時) (レス) id: 4c2d59151f (このIDを非表示/違反報告)
望々美(プロフ) - 続編が気になりました!!パスワード教えてもらってもよろしいでしょうか (2018年7月25日 9時) (レス) id: b1279568fb (このIDを非表示/違反報告)
あいちゃぶる?(プロフ) - お疲れ様です!この作品が面白すぎてつい見入っちゃいました!笑すごく続編が気になるのでパスワードを教えていただきたいです! (2018年6月16日 23時) (レス) id: 4fc4a002f8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きら | 作成日時:2017年1月14日 21時