【ハイキュー！！】及川さんの妹は烏野マネです。

19話 ページ19

Aside



痛い。痛い。
転んで、起き上がろうとしない私に気付き、チームメイトが駆け寄ってくる。



「及川先輩、本当にすいません！足、ケガさせてしまって…」



顔を青くして、涙目で謝ってくる子。
私がつまづいてしまった足の持ち主だ。



「いいよいいよ。転んだ私の責任だから」



真っ先に駆け寄ってきてくれたのは、親友でライバルでもある、ゆかりだった。



入「大丈夫？A。もしかして…捻挫？」


『だと思う。ごめん、試合、出れなくなった』



泣きそうな顔で言う私に、ゆかりは「いいよ」と言ってくれた。
そして、私を補助して立ち上がらせ、一緒に歩いてベンチの方へ連れて行ってくれた。



入「それに、私たちだけでも、頑張れるよ」


『でも私、主将なのに…』



ゆかりが私の言葉に、口を開こうとしたとき、


「及川！」


監督が駆け寄ってきた。



『あ、監督、…すいません、ケガ、しちゃいました』


「いいんだ。足、大丈夫か？お前の兄が来てるから、病院に連れて行ってもらえ」


『…は？え、嘘…』



すると、あのいつもいらいらさせられている、兄(私はこんなのが兄とは認めない)が来た。



徹「大丈夫？Aちゃん」



いつもへらへらしているバカ兄貴が、今は私のことを心配そうに見てくれていた。
そんなバカ兄貴を認めたくなくて、私はそっぽを向いて、「大丈夫じゃ、ない」と言う。




徹「行こ。病院」



『…うん』




今度はバカ兄貴に補助されて立ち上がり、私は選手交代が行われている試合会場を後にした。

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