あなたの、サボリ場所。【沖田総悟】

サボリ。27 ページ28

Aside



ゆらゆら揺られる車。
その中では終始無言が流れていた。
時刻は色々あったのでとっくに12時を超えている。
普通なら眠気が襲い、私を夢の中へと誘ってくれるところだが、そんなことはできない。
なぜなら、隣では沖田さんが車を運転しているからだ。


2人とも何もしゃべらず、お互い口を結んでいる時というのは、非常に気まずい。
気まずすぎる。
この状況を何とか打開しなくては。
そう思い、私は口を開いた。


『あ、あの…沖田さん』


沖「なんでィ」


沖田さんは前を見ながら、私の応答に答えた。


『今日は、本当にありがとうございました。…色々あってお礼言うの忘れてたので…』


沖「いや、あんたが無事で良かったぜ」


『はい。今度何かお礼しますね』


沖「ああ」


会話はそこで途切れた。
やっぱり、私は口下手のようだ。
坂田さんみたいに、何でも話を振れれるわけじゃないから。
う…ん。。
どうしよう、この状況。



すると、今度は沖田さんが口を開いた。



沖「そのお礼ってやつ、俺が決めさせてもいいかィ？」


『え、は、はい。いいですけど…』


沖「遊園地行ってもいいかィ。チケット余ってるんでィ」


私は反射的に答えた。

『い、いいですね！でも、ホントにいいんですか？私がお礼しなくちゃなのに…』


沖「いいですぜ。ちょうど来週の日曜日、非番なんで、そのあたりどうですかィ」


『はい！私もちょうどその日お店閉めるので！』




沖田さんと約束できたことがすごく嬉しい。
私は今、昨日あんな事件があって、少しだけよかったと思えた。

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