epilogue ページ42
茜「でも…お似合いだと思うよ。」
『茜…。』
茜「やっぱり幸村にはAしかいないし、Aにも幸村しかいないと思う。」
幸村「何を今更。当たり前だろ？」
自信満々に答えた精市に、私と茜は二人して吹き出した。
忍足君からの連絡があって、「じゃあまた明日」と教室を出た茜が校門へと駆けてゆく
姿を、教室の窓から精市と見下ろしていた。
カーテンを揺らしながら吹き込んできた風に身を震わせると、
背中から包み込むように精市に抱きしめられた。
教室に響く時計の針と同じ速度で脈打つ鼓動が背中から伝わり、安心感を与えられる。
『茜…幸せそうだったね。』
幸村「俺のお陰だろ？」
『図々しい。』
確かに、あの交換彼氏がなければ、茜のあんな笑顔は見れなかったかも。
私達も、こんな風に一緒に過ごし事もなかったかもしれない。
でも、私が大切な事に気付けたのは忍足君のおかげだと思う。
一か月弱一緒に過ごしたあの時間があったからこそ、私はこうしてまた
精市の傍にいるのだと思う。
だけどそんな事言ったら精市が拗ねるのは目に見えている。
私は何も言わず、そっと背中に体重を移し、精市の胸へと寄りかかった。
幸村「そう言えば、賭けは俺の勝ちだな。」
『賭け…？』
賭けって…何の？
心当たりがなく、疑問符を頭に浮かべながら精市の顔を見ると
何か思いついたように悪戯な笑みを浮かべていた。
なんだか嫌な予感…
幸村「絶対Aは俺の元に戻ってくるって言ったろ？」
『あぁ…言ってたけど、賭けなんて…。』
幸村「忘れた？俺の元に戻ったら、「精市大好き！」って皆の前でキスする約束。」
『言ってないわ！！』
幸村「ふふ。楽しみ。」
一人不適な笑みを零す精市に溜息が漏れる。
あれから少しマシになったかと思いきや…やっぱり精市は精市だ。
『そういう所、変わらないのね。』
幸村「何の事？」
『嘘ばっか言ってたら、また心離れるよ？』
幸村「そしたらまた交換彼氏でもするさ。その度に、Aには俺しかいないって
気付かせてやるよ。」
ホントに減らず口って言うか…なんて言うか…。
私に意地悪いことを言うのは、愛情を確かめる云々言ってたけど
ただの性格的なもんなんじゃないの―っ！
だけどそんな強気な所を含め、精市が好きだよ。
でも、今度は程々にね？
やり過ぎたら、交換彼氏では済まないかもよ？
〜ＥＮＤ〜
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仁王美愛(プロフ) - 薔薇さん» 初めまして☆すっっごく面白かったです☆今日はじめて読みました！長編も更新する予定なので、参考にしたいです(パクりはしません。) 次の作品は、不二vs幸村のヤンデレでお願いします。 (2014年10月14日 20時) (
レス) id: 96e65567ad (このIDを非表示/違反報告)
猿乃舞瑠璃紀 - 漁って読んでみたら、心ポカポカしました！リア彼と上手くいってなかったからスッキリできたうえに、精市と侑士の愛が増しました！ありがと！ (2014年4月29日 22時) (レス) id: 178dc3df4c (このIDを非表示/違反報告)
薔薇 - 初めまして遙さん！お褒めのお言葉有難うございました！誠に恐縮でございます！ (2014年2月28日 22時) (レス) id: 585d3dfcbd (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - こんなお話作るなんて凄すぎです!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2013年11月4日 19時) (レス) id: ec9a96b04e (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - おもろかったなぁ(笑)次の作品も頑張って!! (2013年7月12日 17時) (携帯から) (レス) id: 282c6afcdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薔薇 | 作成日時：2013年3月17日 13時
