ｓｔｏｒｙ１６ 心の中 ページ18
お互いの彼氏を交換してから、私が忍足君を褒める度に茜はとても冷めた口調だった。
興味がなさそうで、「そうなんだよかったね。」なんてまるで他人事のようで……
だから私は、もしかして茜はもうそれほど忍足君を好きじゃないのかと思った。
だからあんな簡単に交換彼氏を受け入れられたのかと思った。
だけどそれは間違い…
茜は忍足君の事が、本当は凄く好きなんだ。
感情を押し殺さないと私の話も聞けないほどに…
忍足君は本当に素敵な人だと思う。
あんな風に愛してもらえたら幸せだと思う。
ならどうして茜はあんなに苦しそうなの？
茜…
茜の心の中が見えないよ……
その悲しみに溢れた瞳の理由は何？
交換彼氏をしようなんて言いだしたのは……何故？
茜のあの悲しそうな顔を見て、私は一人なにを浮ついていたのだろうと恥ずかしくなった。
解放感に浸り過ぎて見るべきものが見えなくなってたと思う。
確かに忍足君は優しくて、心が傾いてしまったかもしれないけど、
冷静に考えると、それは夢のような時間を味わえたからで、相手が忍足君じゃなくてもよかった。
精市という重い鎖から逃れた私を包みこんでくれる優しい誰かを求めていただけ……
私がそんな考えをしだすようになってからも、
忍足君は今までと変わらぬ優しさとときめきをくれたけれど、
私は忍足君と過ごす度に、茜が何に悲しみ、何に傷ついてるのかを考えるようになった。
触れられる手は温かく、囁かれる言葉はときめきをくれる。
大事にされていると、愛されてると感じさせてくれる。
そんな幸せな時間を与えてくれる忍足君の何に不安を感じているのか……？
昼休み…
精市との食事に行ってしまった茜を見送った後…
私は一人屋上でコンビニで買ったパンをかじっていた。
茜と昼食をとらなくなってから半月が過ぎた。
違う友達が誘ってくれたりしたけど、私は一人屋上で食べることにした。
あと半月も経てばこんな生活も終わる…
少し前までは、この夢のような時間がもっと続けばいいのにと思っていたけど…
今は続いて欲しいのか……早く終わって欲しいのか……それさえもわからなくなってきた。
不意にポケットの中の携帯が振るえ、メールが届いたことを知らせる。
きっと忍足君だろう…
そう思いながら開けてみるとやはり忍足君で
「今日夢ん中にAちゃんが出てきてん。そしたら無性に会いたなった。」
と書かれていた。
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仁王美愛(プロフ) - 薔薇さん» 初めまして☆すっっごく面白かったです☆今日はじめて読みました！長編も更新する予定なので、参考にしたいです(パクりはしません。) 次の作品は、不二vs幸村のヤンデレでお願いします。 (2014年10月14日 20時) (
レス) id: 96e65567ad (このIDを非表示/違反報告)
猿乃舞瑠璃紀 - 漁って読んでみたら、心ポカポカしました！リア彼と上手くいってなかったからスッキリできたうえに、精市と侑士の愛が増しました！ありがと！ (2014年4月29日 22時) (レス) id: 178dc3df4c (このIDを非表示/違反報告)
薔薇 - 初めまして遙さん！お褒めのお言葉有難うございました！誠に恐縮でございます！ (2014年2月28日 22時) (レス) id: 585d3dfcbd (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - こんなお話作るなんて凄すぎです!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2013年11月4日 19時) (レス) id: ec9a96b04e (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - おもろかったなぁ(笑)次の作品も頑張って!! (2013年7月12日 17時) (携帯から) (レス) id: 282c6afcdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薔薇 | 作成日時：2013年3月17日 13時
