夢をみた。(Niall) ページ7
異様にリアルだった。
夢だったのか現実だったのか、境界線さえも分からなくなる不思議な夢をみた。
そこはどこかのLIVE会場。
LIVE会場といってもドームみたいに大きい場所じゃない。どちらかというとホールみたいな感じだ。
他のメンバーがいる訳でもなく、僕は一人白い廊下を歩いていた。
ずっとその廊下を歩いていた僕は突き当たりを曲がろうとした、その時ーーー。
ボスンッ‼
⁇『ぶっ‼』
小さい何かが勢い良くぶつかってきて、慌てて倒れないように腕を捕まえた。
Niall 『ごめん!大丈夫っ…?』
ぶつかってきた小さい何かはーー。
DERBY COUNTY のユニフォームを着た
日本人の女の子だった。
長い睫毛のその奥に見える、純黒過ぎない少し茶色がかった瞳が覗く。
少しショートよりな髪型を見ると、結構サバっとしたカジュアルな印象だった。
ただ、何故かそれだけじゃない
彼女が纏ってる雰囲気がやけに落ち着いていて、とても安心ができる感じがした。
今まで夢の中で、こんなにも出てくる人物の雰囲気まで鮮明に刻まれるなんてことなんて無かった。
というか普通に考えて、夢はどちらかというとすぐに場面が変わったり、成立しない物語で終わることが殆どのはずなのに…。
しばらくそんな事を冷静に考えていたら、
⁇『…Niall………?』
どうやら彼女は僕の事を知っているみたいだ。
ってことは、日本人のファンの子なのか…?
現実の世界に実在するかも分からない彼女は、続けてこう言ったんだ。
⁇『Niall は………Niall は…運命の出逢いを、信じていますか…?』
とても綺麗な英語で言われたのは、
思いもしていなかった言葉だった。
僕は少し戸惑いながらもこう答えた。
Niall『……運命の出逢いか…。もしあるのであれば、信じてみたいって…思うよ』
現実では無いと思っていた。
運命に縛られたくないとも考えていた。
でも、夢の中のせいなのか。
【運命の出逢い】というのがどういうものなのか…。
少しだけ信じてみたくなったんたんだ。
そう考えながら彼女の方へと目を向けるとーー
Niall『っ………!』
上手く表現が出来ない。
彼女は、とても綺麗な笑顔を浮かべていた。
そしてこう言ったんだ。
⁇『私と貴方達は出逢うべくして逢うんです。もうすぐだから。でも、その出逢いの辿り方は私も分からない。だってその先を知っている人は…いないから…』
彼女のその言葉を最後に
僕は意識を手放した。
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作者名:Zuu | 作成日時:2017年6月24日 23時