夢のようなお話 (ページ5)

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気のせい…ですか？ページ5

夢でも見ているかのように、私の頭の中はフワフワしていた。

まるで今日の朝のような、リアルな夢を見た後のような。

でも、夢なんかじゃない。

私はさっきNiall に会ってしまった。

かっこよかったなぁ。
肌めっちゃ白かったなぁ。
あのパッチリ二重と見つめ合っちゃったよ。
なんか、うん、とりあえず、、
かっこよかったなぁ。

そんな感想を抱きながら、ステージをぼうっと見つめていたら会場の照明が暗くなり、ステージにライトが集中する。

そう。いよいよLIVEが始まるのだ。

私も冷めやまない興奮のまま、ステージに改めて意識を集中させる。

ドクンッドクンッ。

きっとこの会場にいる皆が心臓の鼓動を感じていると思う。

司会の人が5人を呼ぶ。

『One Direction の皆さんです‼‼』

メンバーが出て来た瞬間ーーー

『キャーーーーーーッ‼‼‼‼‼』

物凄い歓声が沸き起こる。

それはもう黄色い歓声ってこういうのを言うんだなって感じの。

Niall、Louis、Zayn、Liam、Harry が順番に並んでいく。

Harry 『こんにちは～‼』

と、Harry が日本語で挨拶をすると

『キャーーーーーーッ‼‼‼‼』

と、それに応えるかのようにファンが叫ぶ。

私もさーけーべー程叫ばないけど、Harry に向かって手を軽く振りながら『こんにちは～』と挨拶を返した。

私は意外とこういうLIVEとかでもキャーーッって叫んだりとか、嬉しすぎて飛び跳ねるとかはあまりしないほう。
だって他のメンバーがどういう反応してて、どういう表情してるのかとか見逃したくないから。

普段そうそう会えない彼らだからこそ、会えた時は自分の目に焼き付けておきたいのだ。

そんな事を思いながらメンバー一人一人の顔を見ていく。

皆それぞれ会場のどこかしらに目線を配っていた。

そして、さっき入口で漫画みたいな初対面を果たしたNiall に行きついた。

A『…………なん…か』

Niall に目線が移動したその時から、なんとなく……。

いや。確実に目が合ってる気がしてならない。

まさか…。

ほんの少しの淡い期待を抱きつつも、自意識過剰になりたくないから、私は一旦目線を隣のLouis の方へと向けた。

Louis 、あなたもとてもイケメンですね。
よだれが垂れちゃいますよ、ほんと。

そして数秒間、Louis のことを見て再びNiall に目線を戻す。

それはほんの一瞬だった。

Niall は少しだけ

泣きそうな顔をしていた。