確信したんだ。(Niall) ページ18
LIVEが終わって、僕達はステージから降りて行く。
ただ僕の中には、このままだと折角会えた彼女との関わりが終わってしまうという焦りしかなかった。
Niall『Al‼』
そんなの絶対に嫌だった。
咄嗟に僕はステージ裏にいたAlを呼んで、DERBY COUNTY のユニフォームを着た子を呼び止めといてとお願いした。
これだけのファンの子達がいる中で、Alが呼び止められる可能性も高いわけじゃないけど……。それでも今はこの方法しかない。Alを信じるしかなかった。
ーーーーー
Niall『John!ちょっとステージに忘れ物したから取ってくるよ‼』
John『え!ちょっ!Niall!!ちゃんと時間には戻れよっ…てもういないし‼』
ーーーーー
早く、早く彼女に会いたい。
その一心でさっきまでLIVEをやっていた会場に行く。
ステージ裏の方に近づくにつれて声が聞こえてきた。豪快な笑い声はきっとAlだ。
それともう一人Alの声に続いて聞こえてきたのは、女の子の声だった。
やっと、彼女とちゃんと会えるんだ。
迅る気持ちを抑えて、僕は急いでステージ裏の入口へと向かった。
そして、入口を入るとーー
Al『さっき会ったばかりだけど、Aは十二分に魅力があるぞ!』
そうAlの言葉が聞こえた。
そしてそこには、
笑いながら、目の前にいる女の子の頭を撫でているAlと、下に俯いたまま顔を少し赤くしている、僕が今一番会いたい彼女がいた。
ドクンッーー
その光景を見て、沸き起こるドロッとした感情が自分の心を支配していくのを感じた。
僕はあの子の彼氏じゃない。
まだ友達にもなっていない。
なのに、この感情はーー
Alは、僕の知らなかったあの子の名前を知っている。僕が一番最初に知りたかった名前を。僕が呼びたいと思った名前を。
Alがあの子の頭を撫でていた。僕が触れたくても触れられなかったあの子に。
僕はAlに、嫉妬をしたんだ。
僕はこんなに嫉妬深い奴だったか?
こんなに独占欲の強い奴だったか?
僕は今ので、自分の気持ちを確信した。
僕はーー
夢の中じゃない。
現実にいる彼女に、
恋をしている。
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Zuu | 作成日時:2017年6月24日 23時