5話 ページ6
あれからすでに10年は経っただろう。初めの頃は自身の身体能力に驚いたものだ。木は軽々と飛び移れ、視力も良くなった。そして日光に当たってしまった鬼の末路。
鬼は群れることはないらしいが、異例もある。今回俺が出会った悪鬼夜という集団もその一つで、鬼舞辻無惨への手がかりを探すにはいいカモでもあった。
自身に襲いかかる人ならざる同胞。右手に持つ特別な刀を一振りすると、首が身体を離れて宙でくるりと回り落ちる。骨も残らないその様には俺も身震いを起こした。
刀を納め、最後の一人へ声をかける。
「鬼舞辻無惨はどこにいる」
その鬼は目を見開くと、急に怯えだした。もちろん鬼舞辻無惨へだろう。そして少しすると、震えた声音で惚けた。
「し、知らない……」
するとまた何か言おうと口を開くが、その前に首を切り落としてしまった。
「……今回も収穫なしか」
夜しか活動出来ないため、あの鬼殺の剣士は活発的に鬼を狩りに来ては逃げ、しかし鬼舞辻無惨も探さなければならないし、傷や空腹の回復は日がでている時。
明らかに時間が少ない。
「早く人間に戻らないと……」
あの天狗の面をつけた男がくる前に。
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作者名:クレイジーnight | 作成日時:2019年5月21日 20時