あなたのことが(青) ２

★むかしばなし ページ40

丘の上にある小さな高校。

地元から抜け出したくて、毎日の満員電車も気に止めず、親の反対を押し切って、少し遠目の学校を、自分で選んだ。


自由な校風。

グローバルな環境。

フレンドリーな先生。

目に入るものは、みんなキラキラしてた。






私もキラキラしたかったの。

教室で息を押し殺し、机とだけ目を合わせる。
そんな毎日とはさよならしたかったの。

ただ、それだけだったけど。

そう簡単に、うまくいかないもので。


新歓のステージでキラキラしていた先輩に一目惚れして入った、はじめての部活。

マイナースポーツでみんな初心者だからって言葉を鵜呑みにして入ったはいいけれど、帰宅部だったやつと、運動部だった子に差が出るのは当たり前で。

早くも遅れをとった。


クラスの中でもそう。

その環境に飛び込んだからって人が変わるわけじゃない。元々キラキラしている人達に、ついていけるわけもなく。


クラスにも部活にも居場所なんてなかった。


だけど、ほんとにただ、キラキラしたかっただけだったの。

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