「渇愛」Dry LOVE ページ2
Aと出逢ったのは半年前の寒い冬の日だった。
タッピョンが出演した映画の音楽を、俺が作ったのがきっかけで。
打ち上げに呼ばれてしぶしぶ行ったパーティーにAは居た。
＿＿＿＿＿
T「ジヨン、この方Aさん。」
「初めまして。Aです。」
「…どうも。」
差し出された手を握ることもせずに。
軽く頭だけ下げた。
T「おいジヨン、感じ悪いな。」
「あ、いいんですいいんです。あたしの方こそすみません。」
着地点を見失った彼女の手は、彼女の耳へと移り。
髪の毛を綺麗に耳にかけた。
T「すみませんAさん。こいつちょっと機嫌悪いみたいで。苦笑」
別に。
機嫌なんて悪くないし。
ただ、早くこの場から消え去りたいだけ。
気の知れた知り合いもいない打ち上げなんて
つまらないだけ。
唯一の知り合いのタッピョンは、主演だからあちこちに引っ張りだこだし。
俳優や女優なんてものはキラキラしすぎてて俺には眩しい。
同じ業界にいるのに、俺だけが下等な世界で生きているみたいだ。
「あたしも、ジヨンさんの気持ちわからなくもないです。」
誰かに呼ばれたタッピョンはまた目の前から消え去って。
気付いたら彼女と2人になっていた。
「俺の何がわかるの？」
「つまらなくて渇いてるんですよね。
いつまでたっても満たされなくて。もがけばもがくほど、渇きは増すばかり…ですよね。」
「渇き…？」
「あたしたち似た者同士だと思いませんか？」
不敵に笑った彼女を見て。
心臓がドクッと音を立てた。
それは彼女に対する、愛だの恋だのっていう陳腐な感情ではなくて。
湧いてきたのは。
”この女を俺のものにしたい。”
という所有にも似た支配欲だった。
・
”渇いた心を満たしてくれる存在”
そんな存在に君がなるなんて。
この時は想像もしていなかった。
「深愛」Deep LOVE→←「執愛」Deep attachment LOVE
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 297人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yun(プロフ) - さあとさん» さあとさん、こんばんは！^ ^コメントくださったこともあるので覚えています( ´ ▽ ` )☆温かいお言葉ありがとうございます>_<細いけれど長くやっていけたらいいなと思っております^ ^また遊びに来てくれたら嬉しいです☆ (2018年9月2日 4時) (
レス) id: 0dc5e1ac51 (このIDを非表示/違反報告)
さあと(プロフ) - こんにちは。多分初期の読み手やと思います。私はyunさんのお話好きです^ ^また、書きたくなったら描いてくださいね。待ってます(^^) (2018年8月2日 8時) (レス) id: 922fb22c2f (このIDを非表示/違反報告)
yun(プロフ) - 向日葵さん» 向日葵さんこんばんは〜^ ^コメントありがとうございます☆そうなんです！BLACKはじよんさんの少し歪んだ愛情を表せればいいなぁって思ってます(･∀･)女々しくて鬱々としたジヨン意外と好きなんですwww嬉しいお言葉ありがとうございます☆感謝☆ (2016年12月18日 23時) (レス) id: fcdb30ee78 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - 初めまして！BLACK、好きです。メンヘラ気味の病んでるジヨンさんが萌えます。リアルな彼の、鬱々とした重苦し……いや、深ぁ〜い愛情が根底にあるので、読んでて気持ち引っ張られまくります。結構読み返してます。ありがとうございます！ (2016年12月16日 22時) (レス) id: 9a303482d3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - ゆみこさん» ゆみこさんこんばんは＼(^o^)／！いつもいつも優しいお言葉くださってありがとうございます(´;ω;`)!!ハッピーエンドがBLACKで書けるかは謎ですが、また更新しますね(`･ω･´)☆ (2016年5月9日 0時) (レス) id: fcdb30ee78 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆん
x他1人 | 作成日時：2016年3月13日 0時
