早く帰ってほしいのですが。 ページ3
こうして、たこさんと私の奇妙な同居生活が
始まりました。
たこさんは割とこちらと近しい発展段階の
異世界から来たらしく、すぐに馴染んだ様です。
私としてはこれならすぐに帰るんじゃないかと
思っていましたが、中々帰る方法が
見つからない様でした。
「まぁここで暮らすのもありだと思います」
そう言っていますが、冗談じゃありません。
人じゃないのと暮らすだなんて、今の段階でも
気持ち悪くて仕方ないのに。
大体この方、馴染みすぎなんですよね。
人じゃないくせに人みたいな真似事をして、
人の言葉を発して、気持ちが悪い。
早く帰ってほしい。
そう、今日の日記に気持ちを綴り、
パタンと閉じる。
「いや、だから俺は人なんですけど」
ふと背後から聞こえた声に、私は思わず椅子から
立ち上がった。
…びっくりした、心臓に悪すぎます。
『あの、入る時はちゃんとノックしてくださいと
言いましたよね、私』
「ノックしましたよ」
『返事がないのに入るとか頭おかしいんじゃないんですか』
「そこまで言う??いや、てか心配なんですよ。
この前なんて不審者に馬乗りされてたじゃないですか」
『あれは相手が強かったので運の尽きかなと』
「………人のシは皆平等です、けれど勝手に諦めるのは
どうかと思いますよ。それに自分自身の命なんですから
少しは大切にしたら如何です?」
『化け物に道理を説かれたくはないですね』
「だから人なんだってば」
…お説教なんていつぶりだろうか。
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作者名:徒花(腐女子) | 作成日時:2024年2月9日 0時