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リビングに戻るとAは居なかった
「ビーズ、Aは？」
「…ご主人様はあちらに」
ビーズが指さすのは温室
僕はそこへ向かう
「A」
『あぁ、リドル。悪かったね』
すっかり日の暮れた温室は薄暗く昼間の明るさは嘘かの様に静まり返っている
「僕はAに謝られることなんてされてない」
『…そうだな』
いつもなら高らかに笑いながら返すはずなのに違う
今のAはいつものAではなかった
「…さっきの話し」
『あぁ、訳が分からなかっただろう？』
「Aは誰かに狙われているの？だからいつも横丁に買い物に行く時は顔を隠してたの？」
『流石リドル…正解だ。私のファンでね…非常に厄介な相手で目を付けられない為に色々と手を回していたつもりだったんだが…どこかでミスを犯したようだ』
髪を掻き上げるAの顔は初めてみる表情でも僕はその顔が表す感情を知っている
…心の底から湧く嫌悪…
『はぁ…私の側に居たら君が危険になる…』
いやだ…
『先生はその事を伝えに来たんだろう』
いやだ。聞きたくない…
『だからリドル…』
その続きを聞きたくない！！
ピシピシ…
「あ…」
ヒビが入ったガラスをAは軽く見ると
『リドル』
「聞きたくない！！」
更にガラスにヒビが入り今にも割れそうだがそんな事は今はどうでもいい
今はAが続けようとしている言葉がただただ僕を不安にさせる
『…リドル』
「分かってる！Aが言おうとしてる事なんてわかってる！」
『……』
「僕に出て行けって言うんだろ！」
『……』
「僕を守る為に…Aは僕を…捨てるんだ…」
何も言わないAに僕は目の前が霞んでくる
霞む視線の中のAは近づき僕をそっと抱きしめた
『…リドル、それは選択肢の一つだ』
「…っ他にも…っ…考えがあるの？」
抑えられなかった雫がAの肩に溢れた
『その為にはお互いが我慢をしないといけない事が出てくる…』
「いい、僕はAと居られるならどんな事も我慢するしどんな事も頑張るからだから…」
僕を捨てないで
『…分かった。私もリドルと居られるならどんな事も頑張ろう。何でもしよう』
君の光り輝く未来を見るまでは…
パリン！！
高い音を響かせたガラスはゆっくり僕たちに降り注ぎ僕たちに触れる前に砂に変わる
『これからも君と共に』
月の光を反射させながら舞うガラス
それを背負いながら微笑むAは本当に綺麗だった
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兎凪(プロフ) - 更新頑張って〜❤️応援してます❤️ (2021年10月5日 15時) (
レス) @page49 id: b4c6408c6f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 続き気になります。更新頑張って下さい。 (2020年11月22日 0時) (レス) id: 26f37e78f0 (このIDを非表示/違反報告)
たたた - お話とっても面白いです！！！けど名前変換がほぼ機能してません！！！ (2020年11月20日 0時) (レス) id: 6bf73bd8a0 (このIDを非表示/違反報告)
由利香(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってくださいね！ (2020年11月7日 12時) (レス) id: 4865437acd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅澪 | 作成日時：2020年11月2日 1時
