貴女はいつも突然にリドルside ページ41
「ねぇA」
『んー？』
「なんでこんなことしてるの？」
『んー昨日の夜に思いつてね』
「うん」
『夜中からやろうと思ったらビーズに止められてね』
「うん」
『それで今朝からすることにしたんだ』
「なるほど、理由はわかったよ…でも…」
『ん？』
「なんで…なんで！僕まで付き合わせるのさ！！」
僕は持たされた釣竿を振り上げながら叫んだ
『…リドル』
Aは座っていた椅子からスッと立ち上がるとしっかりと目を合わせて僕の肩に手を置く
『魚が逃げるだろ？』
分かってた…どうせそんな事を言うだろうと分かっていた
本当にこの女は何を考えてるのかさっぱり分からない
今朝早くに突然叩き起こされ有無も言わせず厚着させられ口に朝食を押し込まれ連れてこられた近くの湖
分厚い氷にウキウキと穴を開けているAを見せられ釣竿を渡され糸を垂らしたが…
「おかしいでしょう？」
『なにがだい？』
また小さな穴に糸を垂らしたAは尋ねる
「僕はこんな所に来たいって言った覚えはないんだけど？」
『んー服を買ったからね』
「は？」
Aの言っていることが分かるどころか更に分からない
『その服のおかげで寒くないだろう？』
「寒くはないけど…」
僕は着せられた時から不思議と温かったコートを撫でる
『それはよかった。リドルの服が用意できたらこうして出かけたいなと思っていてね』
Aは何も釣れていない釣竿を上げながら言葉を続ける
『まぁ、これを思いついたのは昨日だが…』
はははと笑うA
『今後もこうやって出かけよう。ご覧リドル』
Aはそう言うと湖を指さす
凍った水面に積もる雪は太陽を反射してキラキラと輝き周りの木に積もる雪も負けじと輝く
まるで世界が輝いているように見えた
「綺麗だ」
『だろ？この美しさは今だけのものだ。そしてこの景色を見ながら今の君とも過ごせるのも今この時だけだ。私はそんな時を何度もリドルと過ごしたいんだよ』
「…なんだか矛盾した言い方だ」
目を細めながら言うAにそう返すと
『ははは…これは私のわがままだな。でも付き合ってくれたまえ…リドル』
「はぁ…本当にわがままだね」
僕は椅子に座り直し穴に糸を垂らした
『ありがとう。リドル』
礼を言うAに僕は何も返さなかったがAは嬉しそうにしていてからいいかと思ったんだ
ちなみに魚は一匹も釣れなかった
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兎凪(プロフ) - 更新頑張って〜❤️応援してます❤️ (2021年10月5日 15時) (
レス) @page49 id: b4c6408c6f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 続き気になります。更新頑張って下さい。 (2020年11月22日 0時) (レス) id: 26f37e78f0 (このIDを非表示/違反報告)
たたた - お話とっても面白いです！！！けど名前変換がほぼ機能してません！！！ (2020年11月20日 0時) (レス) id: 6bf73bd8a0 (このIDを非表示/違反報告)
由利香(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってくださいね！ (2020年11月7日 12時) (レス) id: 4865437acd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅澪 | 作成日時：2020年11月2日 1時
