検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:540 hit

7 ページ8

雷「……なあ、あんたのこと…おれもまもるみたいにAって呼んでいい?」

A『え、Aって…?』

おれは、すこしでもあいつに勝ちたいなんて思ってしまっていたんだ。

雷「…ついでにおれのことも、らいって呼んで」

A『わたしが、らいくんを、らいって…?』

雷「…うん、だめ?」

もちろん、まもるよりも遅く…おれはAに出会ったから。…ずっといっしょにいるための約束をしたいと思ったときには、もうまもるに先越されてて。

だから、なにか一つでも勝てるものが欲しかった。

A『ううん、全然だめじゃない…!!おかあさんからは、くんづけとちゃんづけをしようねって言われていたんだ。

だけれど、らいでもいいの?』

雷「…むしろ、らいって呼んでよ。A」

A『…うん、らい、よろしくねっ…!』

そういって、Aがおれの手をぶんぶんと嬉しそうにふって握手する。

正直、A以外の奴にこれをされてたら「さわるな」なんておれは切れてたかもしれない。…けど、他でもない嬉しさでおれは、Aにだけ__その手を握り返すなんてことをしてた。

それでも一個ねがいがかなえば、また一個…ふつふつと湧いてくるのがねがいらしい。にんげんって、やっぱワガママだと思う。だからふと、気になった。

雷「…Aは、クマレッドとオオカミくん…どっちが一番好き?」

それは言い換えれば、ずるい質問で。…オオカミくんと呼ばれたおれのことと、今日俺が仲直りしたまもるのあいぼう__おれにとってはまもると。どっちなんてことが知りたくて。

A『わぁ…、むずかしい質問だね、らい。悩むなぁ…。』なんてAはうーん、と唸りだす。ここでクマレッドなんて言われたら、おれ自身になんの良いこともないってわかってながら、やっぱり知りたかった。

でも、一番大好きなキャラクターという言葉、それが絵本世界だけのものなのか…それとも、どんな作品を飛び越えて、というものなのか気になった。

雷「__…。」まもるみたいに、結婚の約束をできたほどおれはおとこらしくない。なんかそれもそれで、かっこ悪くてムカつくけれど、やっぱり今はAの言葉を待つしかない。…レッドと言われても、それはそれでかまわないから。そうこぶしを握ったとき。

A『__やっぱり、オオカミくんかなぁ?』そうやって、ふわふわとした笑みをこぼしたのはA。
 
雷「__っ!」

8→←6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 6.1/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ:crash! , 青春 , 恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ましゅまろ x他1人 | 作成日時:2021年9月23日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。