24_2:異邦人より異なるもの ページ14
例の事務員の疎開拠点に向けられた組合の戦闘員は二人。
ジョン・スタインベック、植物と意識を共有し枝葉を操る攻撃を繰り出すが、普段はその寄生物質を利用した後方支援系。ハワード・フィリップス・ラヴクラフト、此方は詳細不明だが戦闘力はすこぶる高いとの情報もある。探偵社で処理し切れなさそうなら、中也君を戻り次第あてがうか？と首領のト書きが添えられている。
「流石中原幹部率いる遠征部隊、広範囲の調査も何のそのだね」
「そうだな、近いうちに遊撃隊との共同調査訓練を打診しても良いかもしれない。此処まで短時間で複数の標的に接触できるとは。他は、…」
「…龍之介？」
不意に止まった口調に、何度目か分からない自分の署名を中断して視線を上げる。薄く隈が出来た芥川は目を見開いて何度も報告書の文章を確認している。それでも字面がなんら変わらないことを認識したのか、重々しく口を開く。
「…コードネームとみられる18、エイティーンの名称で呼ばれる能力者あり、異能の詳細は不明。
日、米データバンク共に一切の記録なし」
その特徴的なすぎる呼称に、今度は自分の動きが止まる。喉が息をすることを忘れ、玩具の様な滑稽な音が出る。とうにマフィアに馴染んだ自分の心の底に、仄暗い本来の役目が忘れさせるものかと顔を出す。
自分と同じく造られた生体の、終ぞ見つからなかった最後の一人。
「、いた…」
「…そのようだな」
「18は、博士を追って海を渡って、その後消息は全く分からなかったのだけれど…一緒の組織にいたんだ」
「では、件の博士とやらも共に行動しているのだろうか。少なくとも手紙の件以降、前線に出ているという報は出ていないが」
「補給物質や薬品製造の方で活躍されているのかもしれない。私達程は戦う力が高くないから、ね」
「成程。では、この組合員の相手をするのはお前か」
先の暴走した生体例を見るに、マフィアの手勢では手に負えないだろう。それでなくともいずれは、元来破棄の命が出ている自分が対応する事になる。
今迄の仲間の様に壊れてしまっているのだろうか。仮にも組合という大組織の中で行動しているのだから、少なくとも酷い自壊はしていないのだろう。
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aka(プロフ) - 朝比奈さん» 朝比奈さん メッセージありがとうございます…本当にめたくそ返信が遅くなってしまってすみません。。。！！ぼちぼち続けていきますので、楽しんでいただければ幸いです。 (2017年12月11日 8時) (
レス) id: eea1022fcb (このIDを非表示/違反報告)
朝比奈(プロフ) - この小説大好きです！更新楽しみにしています！ (2017年5月12日 7時) (レス) id: 8eec1a6356 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aka | 作者ホームページ：http://touroumaze.higoyomi.com/
作成日時：2017年4月19日 22時
