遅番休暇6 ページ28
「ねぇ、これって私から不死川に贈ってもいいのかな」
「ンぁ?俺?野郎が指輪っか着けんのかよ」
「宇髄さんとか隊士で着飾ってる人いるし、似合うんじゃない。魔除けなんでしょう?願掛けでも、贈りたいなあ」
「…まァ、邪魔にはならねェからいいが、俺の指に合う大きさのモンがあンのかねェ」
「それはまぁ、頑張って探すよ。…ありがとう、実弥。とても嬉しい」
「おぉ。…しっかし、これで本気でAの処に鬼が寄り付かなくなったら愉快だなァ、お前柱失業だぜ」
「えぇ、それは困るなぁ…もっとこう、魔を引き寄せるとか、付けると力が強くなるとか、そういうのないの」
「ンなもんあっても街の女にゃ付けらんねェだろうが」
「そっかぁ」
しばらく馴染んだ指輪を弄られながら、後ろから抱えられっぱなしだった。不死川の顔は見えないが、酒も回り切ったのだろう声音は至極機嫌が良い。
やがて日も暮れてきて、遊び疲れたらしい私達の鴉に早速見つけられ、光るわっか、いいな、いいなぁ、とつつかれた。
お夕飯の前に温泉と、少しは周りの街を見てみたいと言ったら、若干不満げだがそれもそうだと離された。
残り少ない休日だから、存分に満喫しないと。そして不死川に贈る装身具を見繕わないと。
大分貯まった英気を使うべく、意気込んだ。
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作者名:aka | 作成日時:2020年1月8日 9時