苦くて、甘い。 (ページ31)

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あのお泊まりから

また、通常の毎日が過ぎて。

変わったことといえば

制服は完全に

夏服に変わって

もう7月。夏真っ只中。

あとは、真子達女バスと

太輔と光のいる男バスが

見事に、

インターハイ出場を決めたこと。

で、また期末テストがあって

それが終われば夏休み。

なんだけど、ね。

玉「チョコちゃんさ、

指定校推薦終わっちゃうけど

...ほんとにいいの？」

「...」

もうすぐ閉店時間。

お客さんは

ほとんどいなくて

月曜の夜、

先生がお店にいる時間。

月曜日だけは祝日以外

バスケ部が休みだから

先生は基本的に来てくれて。

片付けしながら

床掃除してたら

先生に話しかけられた。

でもそれは今、

一番触れてほしくないこと

....でもあって。

だって、私の進路は────

玉「進路希望、決まんないの？」

「...」

玉「あ、こら。無視しないの(笑)」

サラリーマンのカップルが

お店を出ていって、

もうお客さんは先生だけ。

「ありがとうございましたー」

ドアが閉まって

カラン...、って

音がやけに響いて感じた。

テーブルを片付けながら

先生の視線を感じるけど

ほんと、

こればっかりは....やだ。

玉「...チョコちゃん」

「......はい」

玉「ちょっと、ここ座んなさい。」

先生の向かいの席。

おいでおいでされて

玉「ほら、ケーキ

買ってあげるから(笑)」

「......いりません。」

玉「ふふ、なんでよ。

好きなくせに(笑)」

こんな時間にケーキなんて

太っちゃうのに....

でも、先生の

ふわふわした空気に

甘い誘惑に負けちゃって、

チョコケーキをパクり。

.........おいし。

チラッと先生の方を見ると

にこにこと満足顔。

玉「ふふ。おいし？」

「.....太っちゃったら

先生のせいだもん、夏なのに..」

恨みがましく、

ジトーって見たら

"眉間にシワ(笑)"って笑われた。