苦くて、甘い。 (ページ30)

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腕をほどかれて

顔を見上げたら

いつもの、"先生"の顔。

玉「ね、せっかくなんだから

お泊まり会楽しもーよ(笑)」

そう言って、光の部屋から

布団だけ持ってきて

私はベッドで

先生は下に布団引いて

私の部屋で寝ることに。

玉「.....チョコちゃんの

好きなヤツって、誰？」

寝転びながら

先生がそんなこと言うの。

「い、言えませんよ...！」

玉「いいじゃん。

てかさっき相談乗って、とか

言ってなかった？」

「う....っ、」

確かに、言ったかも。

でも好きなのは先生だし、

だからって

違う人の名前とか

言いたくないし.....

玉「んーー、じゃあ...どんな人？」

黙りしてたら

先生が折れて、

質問変えてくれた。

どんな─────、人.....か。

「........優しい、人」

玉「...」

「好きなところ、

たくさんあるんです...」

玉「....うん。全部、教えて」

先生の柔らかい声。

この声も......好き、

"あなたが"、とは言えないけど

ある意味の────告白みたい。

.

「.....柔らかい声とか

照れ屋なところ、とか...

気紛れ、で？ちょっと

そっけなかったりするのに

ほんとはすごく

見てくれてたり、とか...」

玉「...」

「....不器用なとこも

まっすぐなとこも、

あと、笑った顔が...好き。

.......ほんとに

全部が、大好きで...」

言いながら、なんでか

涙が溢れてきて。

先生が起き上がって

"うん。そっか"、って

優しく、涙を拭ってくれた。

「えへへ、なんか

好きすぎて...ダメですね(笑)」

玉「そんなことない」

「...っ、」

薄暗い部屋の中で

柔らかい先生の目が

私を見つめてるの、

すごく優しくて。

玉「.....まっすぐに

チョコちゃんが想ってるの

すげぇ────、可愛い...」

頭撫でられて、

その手の優しさに安心して

いつの間にか眠ってた。