苦くて、甘い。 (ページ25)

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普通、普通の親ならね。

"教師を娘の部屋にあげるなんて"

とか。

"もう、夜遅いですから"

とか。

そうなる筈だと思うんだけど。

母「ふふ。お母さんこれから

ちょーっとパパのとこに

ラブラブしに行ってくるから」

「.......へ？」

母「明日の開店時間までには

戻るから、ね？

こんな遅いですし、先生も

うち泊まっちゃって下さい。」

「は......？ちょ、お母さん？！」

じゃ、って下に降りて

荷物持って

家を出ようとしてる

お母さんを慌てて引き止める。

「何、考えてるの？

生徒の家に泊まって

いいわけないじゃん！」

母「えーー、でも

好きならいいじゃない。」

「ダメだよ、非常識！

帰ってもらってよ」

母「いいじゃない

お母さん、ちゃんと

2人きりにしてあげたでしょ？」

「ちゃんと、って....」

話が噛み合わないというか、

お母さん的には

ナイス自分、ってことね。

でも、そんなこと

言ってる場合じゃなくて。

「あのねお母さ...」

母「じゃ、あとで報告よろしく♪」

「あ、ちょ....っ！」

むなしく響いた、ドアの音。

........嘘、だよね。

あれ、これ夢だったりしない？

うん。おかしいもん。

こんなこと

普通あり得ないって

これは夢。

夢夢夢ユメゆ、......

玉「俺、ほんとに

泊まってっていいの？」

階段にもたれかかって

少し苦笑いしてる、先生。

やっぱ.....夢じゃないのね。

「.......いや、よくないです。」

良いわけないでしょ。

どうぞお帰り下さい、って

玄関を指さしたら

先生が、こっちに来て。

.

玉「さすがに

これは予想外だったけど....

案外、好都合かもね。」

「...//何、言って..」

玉「だって逃げんだもん。」

ジリジリ近づいてきて

後ろに下がるけど、

だんだん壁に追い込まれる。

濡れた髪を先生の指が

絡めとって、そっと唇を落とす。

玉「チョコちゃんが

.....悪いんだから、ね？」

見つめられて

動けなくて、

もう立ってるので

精一杯だった。