苦くて、甘い。 (ページ24)

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おそるおそる

振り返ると

いつもの───"先生"の、顔。

玉「横尾も。

応援ありがとねー」

ふわふわ、って笑ってて。

横尾くんが、

おめでとうございますとか

なんか色々先生と話してて。

.

横「.......七瀬？帰ろ？」

「え、あ....」

横「どしたの？ボーッとして(笑)

あ、先生サヨナラ～」

いつの間にか、

会話終わってたみたいで。

横尾くんに帰るんでしょ？って

ちょっと笑われちゃった。

流れで、

さよならって

挨拶しようとしたら

玉「......あ。光に

頼んでた伝言、聞いた？」

「...」

玉「て、光に確認したから

ちゃんと聞いてるの知ってるけど

─────逃げないでね？」

先生の目が......なんか、ダメ。

吸い込まれそうになる。

「さ、さよなら...！」

逃げるように早歩きして

学校から出て。

帰り中に、横尾くんに

なんの話？って聞かれたから

授業の手伝い。とかって

誤魔化したりして。

家に帰ってから

お店の手伝いしながらも、

モヤモヤして。

一応、22時に閉店なんだけど

もうすぐ21時半。

人もほとんどいなくて

片付け始めて、

ゴミ出しにでも行こうかな。

「お母さん。ゴミもうないー？」

母「あら、捨ててきてくれるの？」

「うん」

ゴミまとめて、外に出たら

見覚えのある人が

ちょっと、遠くに見えて。

母「え？何、どうしたの？」

「はぁ、はぁっ....

お母さんごめん。

ちょっともう上がっていい？」

母「へ？全然いいけど...」

「ごめんね、お願いします」

慌ててお店に戻って

お母さんにお願いして

結局、逃げちゃった。

さっさとお風呂入って、

部屋に戻って時間見たら

もう、22時半。

閉店から30分。

濡れた髪、タオルで拭いてたら

お母さんの笑い声───

ん？誰かと話してる？

光は千賀くんの家泊まる

って、言ってたし

お父さんは今出張中だし

......電話とか？

とか、思ってたら

ドアがノックされて。

返事もしてないのに

勝手に開けられた、ドアの先。

「.........は？」

玉森先生が立っていた。