苦くて、甘い。 (ページ13)

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ボケー、っと

改札の方を見てたら

急に掴まれてた腕を

引っ張られて。

「え？わっ....！」

玉「......帰ろ。」

「か、帰るって...」

そりゃ帰るけど

一緒にではないよね？

ぐいぐい腕を引かれて

着いたのは、パーキング。

ここまでで

誰にも見られてないか、

ちょっと心配。

藤ヶ谷くんも言ってたけど

何の気がなくても

腕掴んだりしてたら

先生と生徒だもん。

変に────、思われちゃう。

.

玉「ん。乗って」

「.....え？」

玉「これ、俺の車だから

家まで送るから...乗って。」

半ば強引に

後部座席に乗せられて。

車の中、いい香りする。

あとちょっとタバコの匂い。

なんか、ドキドキする。

車に乗るの......2回目だ。

玉「お待たせ。」

支払いしてた先生が

車に乗って戻ってきて

じゃ、行きますかって。

＊＊＊＊＊＊

玉「今日さ、お店休みだよね？」

しばらくの沈黙の後、

さっきまでの空気と違って

いつも通りの

ふわふわした先生の優しい声。

「あ、はい。水曜日なので...」

そう答えたら

先生がだよね、って。

ん？何？

「なんかありましたか？」

玉「んー..明日さ、

朝学校に早く来れない？」

「へ？いいですけど...」

明日の1現目の英語で

映画を観るらしくて

その準備を

手伝ってほしいみたい。

玉「お。ありがとー

バスケ部朝練あってさ、

間に合いそうになかったから

すげぇ助かるわ(笑)」

ミラー越しに

ふにゃ、って笑う先生と目が合う。

うわ。可愛い。

「...//あ、と....

バスケ部、再来週からでしたっけ

インターハイ予選？」

玉「うん、そうそう

あ。光すごいよ、即戦力」

「.....私も

運動できたらよかったな」

今日も、藤ヶ谷くんに

軽くバカにされたし。

玉「そっか。チョコちゃん

運動ダメなんだっけ？(笑)」

「......私は光と違って

背も低いし、足遅いし

今日も藤ヶ谷くんに

バカにされましたもん」

そういえばほんと、

藤ヶ谷くん足速かったな

多分合わせてくれてたけど。

さすが、

バスケ部のエースだよね。