沈黙のカルメン【KINGOFPRISM】

4.過去でのカルメン ページ4

Aside

私は、香賀美くんを頼っている。

鷹梁さんや神浜さんも、気を使ってくれてるけど、体が大きくて少し怖い。

速水さんと十王院さんは喋りかけてくれてるけど、話が続かないから、申し訳ない。

太刀花さん、涼野さんは雰囲気がクールだからか、近寄りがたい。

西園寺さん、一条さん、仁科さんは、雰囲気が硬くないので一緒にして落ち着く。


でも、香賀美くんは、ぶっきらぼうながらも、優しいから、また頼りたくなる。


でも、“あの姿“を見られてるなんて。


沈黙のカルメン…か。いつからだっけ。そう呼ばれ始めたのは。



あれは確か、中学1年生のとき。
ル·セリアナ女学院に入学して、はじめてのプリズムショーテストのとき、自分のタイプがわからなかった。
ポップではないし、ラブリーでもない。

フェミニンかな…と思ってたけど、テストのストーンは取ったもん勝ち。フェミニンのストーンはもうなかった。それに近いエスニックも靴しかなく、セクシータイプを選んだ。


不思議と自然に表情も大人っぽくなれた。

それで法月主宰には「“透明”何にでもなれる」と言われたが…

セクシー系で定着してしまい、ファンからは

“沈黙のカルメン"と呼ばれ始めたのだ。



そんなことを考えていたら、西園寺さんが呼びに来てくれた。


ﾄﾝﾄﾝ

「Aちゃんー！お風呂どうぞ！」

いつも西園寺さんが呼びに来てくれる 。


私はお礼を言った。

「ありがとうございます。いつも。」


西園寺さんはふんわりと笑った。


「女子校から急に男子寮に来て怖いと思いますが、みーんなAちゃんと仲良くしたいです！だから、言いたいことはきちんと言ってくださいね☆」


西園寺さんは、わたしの味方だ。

だから、私は勇気を出した。



「あの、名前呼び、してもいい、かな？」


手が震えてくる。


「もちろんです！Aちゃんの方が年上なんだし。私だけじゃなくて、他のみーんなも名前呼びOKですよ！！それに、指導員として来てくれたんですから、練習とかも覗いて、アドバイスしてくれると嬉しいです☆」




優しさでいっぱいだ。


「分かりました！ありがとう。レオ、くん！」

「はい！」
エデロ寮はル·セリアナ女学院と違って優しい人がいっぱいみたい。

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