94 ページ44
「…！……！！」
誰かの声が聞こえる
…なんで？どうして？
あれ、私いつの間に眠っていたんだろう
重たい瞼をゆっくりと開いた
視界が霞んで見にくい
「しろ、いわ…？」
やっと焦点があって、目の前にいる人を認識できた
「…！よかった…！」
「何で…」
「今はそんなことどうでもいい。…もしもし純喜？見つけた。とりあえず水とかタオルとか持ってきて」
うまく頭が回らない
何でこうなったんだっけ…今何時なんだろう…
そう思っている間に、白岩は私を倉庫から出して風通しの良いところに座らせてくれた
外は少し暗くなっていて、結構な時間が経っているように感じた
「佐藤に何かあったら俺…」
「え、なに…？」
白岩が何か言ったのに、うまく聞き取れなかった
「…何で、」
悲しそうな顔をした白岩が真っ直ぐこちらを見た
「何で危ないって分かっててのこのこ行くんだよ…！」
「…え？」
「分かってただろ！嫌がらせされるかもって！なのに…なのに何で！」
…何で私が怒られてるんだろう
何で私がそんな風に言われなきゃいけないんだろう
確かに私も迂闊だったとは思う
でも、行かなかったらきっと違う子がいじめられるんだよ
「ほんとバカなのかよ…！頼むから…っ！」
今までだってずっと我慢してきた
白岩に非は無いから、って
だけどね、時々思うんだよ
「頼むから、何？何で、…何で白岩にそんな風に言われなきゃいけないの？」
白岩が私に関わらなければ、こんなことに耐えなくて
も済むんじゃないかって
そう思わずにはいられない時だってあるんだよ
「…もうほっとけばいいじゃん。」
「…さと、」
「ほっといてって言ってるでしょ！」
ダメだ
もう、抑えられない
「何？自分のせいで私が死にでもしたら寝覚め悪いって？…安心して。もし何かあったって白岩のせいだ、なんて言わないから」
「そういうことじゃ…！」
「嫌いなんでしょ？私のこと」
私がそう言うと、白岩は目を見開いた
きっとそれが答えだ
「じゃあもう関わらなきゃいい。優しくしなきゃいい。なんで中途半端に関わってくるの…意味分かんない」
「…」
白岩は目を見開いたまま、何も言わなかった
「A！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 571人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「JO1」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
咲彩(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます！！だいぶお待たせしてしまいました…これから少しずつるきくんのターンが増える…はずなのでよかったらまた見ていただけると嬉しいです！応援ありがとうございます！ (2022年5月9日 21時) (
レス) id: 56598a6d46 (このIDを非表示/違反報告)
りん - つ、ついに…！！！るきくんのターンが…！！！待ちに待った展開がきそうで思わずコメントしてしまいました(>_<)立て続けにお話更新してくださって嬉しいです♪応援しています^_^ (2022年5月8日 22時) (レス) @page28 id: 1f8c0c6745 (このIDを非表示/違反報告)
咲彩(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてとっても嬉しいです…！瑠姫くんの気持ちも少し先にはなると思いますが、書く予定ですので待ってていただけると嬉しいです！本当にありがとうございます！ (2022年1月2日 23時) (レス) id: 56598a6d46 (このIDを非表示/違反報告)
りん - はじめまして！お話とっても面白いですね^_^るきくんが本当はどう思っているのか気になります。無理せず、作者様のペースで更新してください！楽しみにしています^_^ (2022年1月2日 23時) (レス) id: 1f8c0c6745 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：咲彩 | 作成日時：2021年12月26日 22時
