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豆原一成#1 ページ17
アイドルは嫌いだった
顔が良ければ、スタイルが良ければチヤホヤされて、大した苦労もせず生きていけるんだろう
顔やスタイルなんて遺伝子である程度決まっている
そんなの運ゲーじゃん、生まれた時から勝負ついてるじゃん
そう思っていた
「俺、アイドルになりたい」
幼馴染の一成がそう言った時、私は嫌いだったアイドルについて見直してみた
顔やスタイルはもちろん、歌にダンス、人間性まで求められる
顔やスタイルがいいだけでなれるものではない
容姿に恵まれた人ですらこんなに努力をしているんだと思うと、尊敬の気持ちが生まれた
ファンのために努力をするアイドルは純粋にすごいと思った
私はアイドルが好きになった
「俺、オーディションに出る」
一成がそう言った時、驚いた
幼い頃、アイドルになりたいと言っていたけど、今オーディションを受けるとは思っていなかった
高校を卒業してからかな、と勝手に思い込んでいた
「そうなんだ、頑張れ！一成ならいけるよ！」
その言葉は私の本心でもあり、嘘でもあった
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作者名：咲彩 | 作成日時：2021年10月13日 23時
