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「じゃあ今日はこれでお開きということで！」
会計も終わり、幹事役だった子が店の外でそう声をかけた
「この後、もう一軒行きませんか…？」
そんな声が聞こえてふとそちらを向くと、店の出入り口から少し離れたところで、女の子数人が顔を赤らめながら、上目遣いで純喜にそう言っているところが目に入った
純喜の顔はよく見えなかったけど、きっと男の子はああいうのに弱いんだろうな
…私には出来ないや
それを見ているのは辛くて逃げ出したくて
一応周りにいた人に声をかけて、そっと輪から抜けた
「佐藤！」
純喜には気付かれないよう歩き出したつもりだったのに、数歩歩いたところで純喜に呼び止められた
「え、なに…どうしたの？」
「もう帰るん…？」
「ああ…うん。今日は帰ろうかなって。」
「…」
純喜は少し黙った後、にっと笑って
「俺も帰るわ！一緒に帰ろ！」
そう言うものだから驚きで目を見開いた
「じゃあ、俺帰ります！今日はほんまにありがとうございました！これからよろしくお願いします！」
純喜は大きな声でそう言って一礼した後、
「行こ？」
私の方を向いて微笑みながらそう言った
ゆっくり歩き出した純喜につられて、私も歩き出した
「ね、ねえ！よかったの？」
「何が？」
「何がって…」
…女の子たちから誘われてたじゃん
「…もう一軒どうですかって言われてた、から。」
「あー…今日はもうええかなって。」
「…主役のくせに。」
「もうみんなとはいっぱい話せたもん。」
「そっか…」
その後会話は続かなくて、ただ2人でゆっくりと歩いた
2人で並んで歩くなんていつ以来だろう
…高校の時以来かな
もう何年も前のことなのに、純喜との思い出はすぐに思い出せる自分に笑ってしまう
「…佐藤。」
「なに？」
「…いや、やっぱなんでもない。」
「なにそれ。」
純喜が言い淀むなんて珍しい
「…なんか、こうやって2人で歩いてると昔みたいやな。」
「そう、だね…」
あの頃、別に恋人でもなんでもなかったけど、一緒にいられるだけで幸せだった
こうして純喜の隣を歩いていると、仕舞い込んだはずの気持ちがだんだんとまた蘇ってくるようで苦しくなる
ふと見上げた横顔はそんなに変わらないはずなのに大人っぽくなっていて、まるで違う人のように感じた
…どうしてだろう
あの頃みたいに無邪気でいられないことがなんだか少し切ない
…やっぱり好きだな、純喜のこと
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愛菜(プロフ) - 咲彩さん» ありがとうございます！とても面白いので更新頑張ってください！応援してます！！ (2021年8月17日 21時) (
レス) id: eaa6d7c725 (このIDを非表示/違反報告)
咲彩(プロフ) - 愛菜さん» 教えていただきありがとうございます…！登場人物設定のところに追加しましたので、設定をお願いします…！ (2021年8月17日 20時) (レス) id: 56598a6d46 (このIDを非表示/違反報告)
愛菜(プロフ) - 名字の設定もできるようにしていただきたいです。（名字）って表示されてしまいます、、。 (2021年8月17日 20時) (レス) id: eaa6d7c725 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲彩 | 作成日時：2021年8月16日 21時
