Astilbe (ページ26)

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與那城奨#1 ページ26

「本当にすみませんでした…！」

このセリフ言うの何度目だろうと思うくらいには凡ミスがすごく多い

昨日、仕事をしている時に上司からみんなに聞こえるような大きな声で嫌味を言われた

個人名は出してないものの、内容的に私にしか当てはまらなくて

聞かないように仕事に集中したかったけど、どうしても意識がそちらに向いてしまって、もうダメだった

めちゃめちゃに落ち込んだけど、一晩寝て気持ちを立て直したつもりだったのに、仕事場に行くと昨日のことが蘇ってきて、気付けばいつもしないようなミスばかりしていた

「どうしたの？なにかあった？」

そう話しかけてくれたのは與那城先輩だった

一年しか変わらないのに仕事はバリバリこなせて、周りに気遣いもできる完璧な人

そんな人に上司に嫌味を言われた、とは言いづらくて

「あ、いや…」

適当なこと言って誤魔化そうと思ったのに上手く言葉が出てこなくて

代わりに出てきたのは涙だった

「え！どした？！俺なんかした！？」

下を向いて涙を我慢するのに必死で喋れなくて首を振った

先輩は何か察したのかおいで、といって人のいない部屋へと連れ出してくれた