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私が踏ん切りをつけなければ、彼は可哀想なまま。
「影山くん」
「…！」
いまだ目を合わせてくれない彼の体にぎゅっと抱きつく。がっしりした胸板に顔を埋めると、どんどん速くなる影山くんの胸の鼓動が少しずつ聞こえてきた。
「今はスガのことがあるから、もう少しだけ待ってほしい。全部終わらせてくる。…そしたら、いつかちゃんと、絶対言うから」
「……絶対ですか」
「絶対です」
「………………」
抱きついてきた私に応えるように、私の背中にも彼の長い腕がぎゅううっと回される。
「…なら、早くしてください…どんだけ待たせる気ですか…」
包まれた体に安心してふふっと口角を上げながら「ごめんね」と小さく呟けば、「…笑ってませんか」とふてくされた声が上から聞こえてきて、ついギクッと肩を揺らす。…え、なんでわかったの。
「俺はAさんがずっと好きです」
「知ってます」
「けど、あんまりもったいぶられんのは、嫌です」
「はい。ごめんなさい」
まるで子供をあやすみたいに、ぽんぽんと影山くんの背中を軽く叩く。
しばらくこのままでいたいなんて思ったが、気づけばいい時間になっていて、校舎にぽつぽつとついていた電気もいつのまにか全て消えていた。
「とりあえず、今日は帰ろ？」
「うス」
「…手、繋ぎたい？」
「……Aさんは？」
「えっ………ふは、繋ぎたいかな」
「じゃあ繋ぎましょう」
「ん」
いつもと同じ帰り道。
なのになんだか今日は新鮮な感じがして、不思議と爽やかな気分で足を進める。
なぜかはよくわからないが、普段より夜が遅いから、ということにしておこう。
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ゆり(プロフ) - すっごい好きなお話しです！続き楽しみにしてます！ (2023年3月14日 21時) (
レス) @page47 id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - すっごい好きすっごいなんかもう好き(語彙力とは)、、、最初からここまで一気読みさせていただきました！1話1話の内容がとても面白くて、もっと読みたい！って思えました！！！！！ (2022年1月27日 2時) (レス) @page47 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
まじま。(プロフ) - このままここで続けて欲しいですうう、、。ほんとにこの作品すごく好きです応援してます！！！！！ (2021年3月23日 11時) (レス) id: 605f4aa0b2 (このIDを非表示/違反報告)
のろ(プロフ) - あわわわわわー！オチが上手くいかない感じがすごい好きです。応援してますー！！ (2021年3月16日 22時) (レス) id: 0a1b5d200f (このIDを非表示/違反報告)
ik13ttm(プロフ) - わああああああああああああああついに！！正真正銘の両思いになりましたね！おめでとう！！！もうこの話好きすぎてまだ全然完結しないっていうお知らせめちゃくちゃ嬉しいです…(つД`)ノ (2021年3月16日 15時) (レス) id: a5a5b9bef4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずかわ | 作成日時：2021年1月18日 0時
