３４- 寄せば得る ページ8
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「………」
「一生黙ってるつもりですか」
俯いて口をつぐむ私の顔はきっと真っ赤だろう。
影山くんは私の腕を掴んだまま立ち上がり、ぐっと自分のほうに引き寄せてくる。
密着したのをいいことにできるだけ顔を見られないように頭を彼のほうに押しつけると、それに反するように頬に手を添えられ上を向かされた。
「…Aさん、」
「…………」
「何も言わねえなら、そういうことだって勝手に捉えますけど、いいんすか」
双方の視線が交わるこの空間は妙に気恥ずかしい。
気づいたら影山くんの顔はすぐ近くまで迫っていて、
とくん、と心臓が音をあげた。
「…好きです」
距離がゼロになるまで、
あと数センチ。
「……うっ、うわあああああ！！！！」
「い"っ…！？！！？」
バシーン！！と気持ちの良い音が辺りに響き渡る。
一瞬自分でも何が起こったかわからなくて、目の前で頬を押さえてポカンとする影山くんを見てハッと我に返った。
「っあ！！ごめん！！大丈夫…！？」
「…………」
「(…しまった、これやばいやつだ)」
唇が触れ合うまであとほんの少しといったところで、
思わず彼の頬に平手打ちを食らわしてしまった。
なんだかデジャヴだ。
笑顔を引きつらせながら影山くんの顔を覗き込むも、
口を尖らせて私と目を合わせようとしない。
「あの、影山くん…」
「……いつになったら答えてくれんだよ…」
「え？」
「嫌なら嫌って言えばいいのに言わねえし、けど拒否はされるって、結局どっちなんすか」
「もうわかりません」
ムッとした顔でそっぽを向く影山くんに、ものすごく罪悪感が湧いてきた。
鈍感で身勝手で少しズレてる影山くんに自分は振り回されていた気でいたけど、実は彼を散々振り回していたのは私のほうだったのかもしれない。
断るよりも、ハッキリしないのは1番最低だ。
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ゆり(プロフ) - すっごい好きなお話しです！続き楽しみにしてます！ (2023年3月14日 21時) (
レス) @page47 id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - すっごい好きすっごいなんかもう好き(語彙力とは)、、、最初からここまで一気読みさせていただきました！1話1話の内容がとても面白くて、もっと読みたい！って思えました！！！！！ (2022年1月27日 2時) (レス) @page47 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
まじま。(プロフ) - このままここで続けて欲しいですうう、、。ほんとにこの作品すごく好きです応援してます！！！！！ (2021年3月23日 11時) (レス) id: 605f4aa0b2 (このIDを非表示/違反報告)
のろ(プロフ) - あわわわわわー！オチが上手くいかない感じがすごい好きです。応援してますー！！ (2021年3月16日 22時) (レス) id: 0a1b5d200f (このIDを非表示/違反報告)
ik13ttm(プロフ) - わああああああああああああああついに！！正真正銘の両思いになりましたね！おめでとう！！！もうこの話好きすぎてまだ全然完結しないっていうお知らせめちゃくちゃ嬉しいです…(つД`)ノ (2021年3月16日 15時) (レス) id: a5a5b9bef4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずかわ | 作成日時：2021年1月18日 0時
