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「…あ、ねえっ」



ここしかない。

反射的に口から出た私の呼びかけに、スガは反応することなく。



「じゃあお前たちも気をつけて帰れよ!」



まるで私の声を聞かないようにしているみたいに、
素早い足取りで去っていった。

行き場を無くした私の言葉。喪失感かなんなのか、よくわからない感情が渦巻いて、頭がうまく働かなくなってくる。



「…帰りますか」

「…………なんでなの」

「え?」



ぎゅっと拳を握りしめる。

「なんすか?」と不思議そうな顔をする影山くんになんて目もくれず、私はぐっと唇を噛んだ。



「…意味わかんない、私何も悪いことしてないのに」

「はい?」

「あっちの都合で勝手に避けられて」

「Aさん」

「理不尽にも程があるじゃん」

「…あ、あの…?」





「……なんでこんなこと、なるの…っ」

「!?!!?Aさ…っ」



我慢できずに、頰を伝った大粒の涙。

それを見た影山くんはぎょっとした顔で、わたわたと慌てふためいている。



「な、なんで…」

「…バカ…ほんと意味わかんない…」

「………あっち、座りましょう」



肩を抱かれ、体育館入り口の石段へ移動させられた。



「……ぐすっ」

「…………」



2人とも沈黙し、聞こえるのは私が鼻をすする音のみ。

耐えかねたらしい影山くんがやっと口を開く。



「やっぱなんかあったんすよね」

「…………」

「菅原さんですか」

「…………」



それでも黙ったままの私に痺れを切らしたのか、
「あの!」と大きな声で言ったかと思えば頰を両手で包まれ、ぐいっとそちらを向かされた。


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ゆり(プロフ) - すっごい好きなお話しです!続き楽しみにしてます! (2023年3月14日 21時) (レス) @page47 id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - すっごい好きすっごいなんかもう好き(語彙力とは)、、、最初からここまで一気読みさせていただきました!1話1話の内容がとても面白くて、もっと読みたい!って思えました!!!!! (2022年1月27日 2時) (レス) @page47 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
まじま。(プロフ) - このままここで続けて欲しいですうう、、。ほんとにこの作品すごく好きです応援してます!!!!! (2021年3月23日 11時) (レス) id: 605f4aa0b2 (このIDを非表示/違反報告)
のろ(プロフ) - あわわわわわー!オチが上手くいかない感じがすごい好きです。応援してますー!! (2021年3月16日 22時) (レス) id: 0a1b5d200f (このIDを非表示/違反報告)
ik13ttm(プロフ) - わああああああああああああああついに!!正真正銘の両思いになりましたね!おめでとう!!!もうこの話好きすぎてまだ全然完結しないっていうお知らせめちゃくちゃ嬉しいです…(つД`)ノ (2021年3月16日 15時) (レス) id: a5a5b9bef4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みずかわ | 作成日時:2021年1月18日 0時

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