・ ページ11
.
「……何から話したらいいのかな」
「いや知らない…」
下の階の空き教室に連れてきたはいいものの、
私は勢いで行動しすぎて頭が真っ白になっていた。
ごめん？ううん、違う。私何も悪いことしてないし。
謝れ？ううん、それもなんか違う。
" スガは私たちの邪魔をしないように、って思ってるんだろうけど。私的にはそんなのどうでもよくて、むしろ仲良い友達に無視されるほうが辛い "
" それを言えば良くないすか "
ふと昨日の影山くんとの会話を思い出す。
そうだ。私の考えてることをそのまま言えばいい。
「…私と影山くんの邪魔をしたくないっていうのはわかるんだけど、それって今のこの状態が正しいの？」
「…………」
「スガにしては珍しく考えなしだよね」
目の前でどこか一点を見つめるスガを私はまっすぐ見つめながら言う。
避けられ始めてすぐの頃よりは、最近は少し優しくなった。きっと彼だって物足りなさを感じているに違いない。
「…だから？」
「え？」
「正しくなかったらなに？」
「…な、なにって…」
突然スガは私を見て言い放つ。
その表情は決して冷たいものではなく笑顔だった。
しかしそれはどこか寂しげで、切ない。
正しくなかったらなにって逆になに？
返す言葉が見つからず戸惑っている私を気にも留めずスガは続ける。
「ずっと無視してるわけじゃないし、部活中は必要最低限の連絡はしてるし、迷惑かけてるわけじゃないよ」
「そうだけど…」
「俺が好きでこうしてるんだからさ」
「………」
柔らかい笑顔とは比例しない言葉に顔を歪める。
おかしいな。こんなはずじゃなかったのに…
何も言えなくなった私にため息をついたスガは、
「そんで」とまた口を開いた。
「俺はこのまま引退してもいいと思ってるけど」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1626人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆり(プロフ) - すっごい好きなお話しです！続き楽しみにしてます！ (2023年3月14日 21時) (
レス) @page47 id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - すっごい好きすっごいなんかもう好き(語彙力とは)、、、最初からここまで一気読みさせていただきました！1話1話の内容がとても面白くて、もっと読みたい！って思えました！！！！！ (2022年1月27日 2時) (レス) @page47 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
まじま。(プロフ) - このままここで続けて欲しいですうう、、。ほんとにこの作品すごく好きです応援してます！！！！！ (2021年3月23日 11時) (レス) id: 605f4aa0b2 (このIDを非表示/違反報告)
のろ(プロフ) - あわわわわわー！オチが上手くいかない感じがすごい好きです。応援してますー！！ (2021年3月16日 22時) (レス) id: 0a1b5d200f (このIDを非表示/違反報告)
ik13ttm(プロフ) - わああああああああああああああついに！！正真正銘の両思いになりましたね！おめでとう！！！もうこの話好きすぎてまだ全然完結しないっていうお知らせめちゃくちゃ嬉しいです…(つД`)ノ (2021年3月16日 15時) (レス) id: a5a5b9bef4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みずかわ | 作成日時：2021年1月18日 0時
