押せば成る【影山飛雄】【３】

２４- 誓えば張る ページ5

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そして月日は流れ、10月下旬。

春高代表決定戦1日目、2日目が終わった。


青城戦が終わり、一息ついた仙台市体育館。

最後の速攻は鳥肌ものだった。及川くんも、以前祭りで会った時とは別人のように素早い反応をしてて凄かったけど。



「あー、泣くかと思った…」

「なんだよ泣けよー、薄情者ー」

「泣かないよ、まだ明日あるじゃん」

「そーだな」



帰る準備をする部員たちの横で安堵のため息をついていると、スガに軽く笑われた。



「Aさん」

「影山くん！お疲れ様、おめでとう！」

「アザス！」



たたたっと私のほうに駆け寄ってきてくれた影山くんに労いの言葉をかける。

嬉しそうにほくほくしたオーラを出しながら頭を下げてくる影山くん。

いつもは身長差で届かない頭頂部が目の前にあったため、本能的にぽんぽんと撫でてみる。



「………」

「影山くん？いつまで頭下げてるの」

「もっと撫でてください」

「………あ、うん」




菅原「影山が壊れた」

縁下「いやもとからあんな感じでしたよ」

菅原「そうだっけ？」



苦笑いで要求通り頭を撫で続けてあげると、その様子を見ていたスガや縁下がひそひそと話していた。




☆☆☆




帰りのバスはみんな爆睡。

そりゃあ強豪相手に２回も試合したんだから当たり前か、と思い私も眠りについた。



烏野高校にバスが着くと、わざわざ残ってくれていたらしい烏野の生徒が出迎えてくれる。

私の友達からもたくさんLINEがきていて、思わず笑みが溢れた。

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