押せば成る【影山飛雄】【３】

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「…いや、あの…」

「うん、なに？」

「………ほんとに笑わないですか」

「笑わないって言ってるでしょうが！」



さすがスガ先生といったところか。
結構効いたらしく、影山くんのほうが折れてくれた。

恥ずかしそうに目線を逸らし顔を赤くさせたまま、
彼は口を開く。



「俺、しばらく学校にも部活にもいねえっすけど」

「うん」

「………寂しく、ないんすか」

「…え？」



つい、素っ頓狂な声を出してしまう。

ぽかんとする私を見てさらに顔を赤く染める影山くんはガシガシと頭をかいている。

あまりに影山くんらしくない問いだったため私は度肝を抜かれ、そのうえ心臓をドキュンと撃ち抜かれた。



「…か、かわ、かわいっ……ふっ」

「やっぱ笑ってんじゃないすか！！！！」

「あっごめん待って！行かないで！」



どうしても我慢できず吹いてしまう私を見るなり影山くんは不機嫌になって赤い顔のまま早足で先を進んでいく。

その腕を掴み引き止めると、眉間にしわを寄せながらも振り返ってくれた。



「笑っちゃってごめん。かわいくて」

「………」

「寂しいよ。影山くんはいつも私のそばにいてくれてるし、数日間でもいないと寂しいと思う」

「…本当にですか」

「本当本当！嘘言わないでしょ」

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