押せば成る【影山飛雄】【２】

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「そういえば、聞いたか？明日の話」



荷物を適当に置きながら、私たちを向いてそう聞いてくる大地。



「なに？明日って」

「明日土曜日だろ。もちろんいつも通り部活はあるんだけど、午前中で終わりだ」

「なっ…もったいない！なんでッスか！」

「コーチに聞いても、特に理由はないらしい。けどなあ、俺気づいちゃったんだよ…」



残念がる影山くんを見て、ふっふっふ、と珍しく何かの役に入っている大地。
テンションが高い大地は違和感しかない。

「もったいぶらないで言えよ」とスガにチョップされ、頭を押さえながら大地は「実はな」と続けた。



澤村「明日駅の近くで祭りがあるらしい」

菅原「マジか！さすがコーチ！」

「それと部活の何の関係があるの？」

菅原「七海わかんねーの？コーチからのたまには遊べっていうメッセージに決まってるだろ」



あの人たまにこういうとこあるよな〜と腕を組み楽しそうに笑うスガ。

なるほど。確かにここ最近、部活のことしか考えられないほど部活続きで、休みという休みはなかった。

まあ、明日も午前までってだけで休みではないけれど。



「そっか。確かにちょっとテンション上がるね」

菅原「だろ！祭りは夏の風物詩だべや」

澤村「花火も上がるみたいだぞ」



にこにこするスガと大地につられて私まで笑顔になっていると、そのほんわかした空気を途端にぶち壊す発言が飛んでくる。



影山「自主練したい人はしていいんすか？」

「は？」
澤村「は？」
菅原「はぁぁ？」


影山「な…なんすか」

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