押せば成る【影山飛雄】【２】

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「黒尾」

黒尾「おう。Aちゃんちょっと今時間ある？」

影山「ねえっす」

「あるよ」

影山「ねえっす！！！」

「あるよ」

黒尾「よかった。ちょっと借りられてくんない？」

影山「貸せません！！」

「いいよ、どうしたの？」

影山「七海さん！！」



影山くんを見て見ぬふりしながら黒尾と会話をしていると、ついには腕を掴まれ引き止められる。

我慢してたけど少しイラッときてしまい、思わず強い口調で影山くんに向かって言った。



「うるさいなあ！ちょっとだけじゃん！いい加減また怒るよ！」

影山「でもっ…」

「君は私の彼氏ですか！？」

影山「……っそう、です…」




「……………で黒尾、なに？」

黒尾「最終的に無視なのね」



ありもしないこと(たぶん願望)を言う影山くんの相手に疲れた私がガン無視すれば、苦笑いの黒尾。

そんな彼に「ちょっと来てよ」と手招きされ、いまだ呼び止める影山くんをまた無視して言われるがままついていった。

…追いかけてこないだけ、まだマシかな。

なんて思いながらちらりと振り向くと、やはり烏野部員が影山くんを必死に食い止めていた。

結局そうなるんじゃん。



黒尾「はは、なかなか重いな」

「でしょ…私じゃなかったらまだ怒ってるよ…」


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