押せば成る【影山飛雄】

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振り返ると、田中とスガが2人でこちらを見てぽかんと口を大きく開けている。

うん、まあそうなるわな。

思わず苦笑いで「おはよう」と言うと、「おはようじゃねーっすよ！」と田中の怒声が返ってくる。



田中「昨日はなぜか2人で帰ったかと思ったら、今日は2人で登校って…」

菅原「もしかしてお前ら…」

「「一夜を共に過ごし……」」



「バカ」

「「いでっ」」



顔を真っ赤にしてワナワナする2人の頭を軽く叩き、
背伸びしたつま先を戻す。



「ませたこと言うな、男子高校生か」

菅原「いや現役だわ」

田中「じゃあどういうことっすか！！」



どういうことかなんて、私もよくわからないよ。

田中の心からの問いに顔を歪めながら、ちらりと影山くんのほうに視線をやる。

私の視線に気づいた影山くんは、我関せずといったような表情からきりっとした表情に変え、口を開いた。



影山「昨日は俺が一緒に帰りたいって言いました。今日も、俺が七海さんの家まで迎えに行きました。そんで来ました」

田中菅原「「！？！！？！？」」

「(事実述べただけだなー)」



ついに言葉さえ出なくなったのか、石化した2人をそのまま通り過ぎて体育館へ向かう。

影山くんも、2人の存在を気にしつつも私についてきた。



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