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「でか…」
何階建てかわからないほどのガラス張りのビルに、思わず口が開く。
「アホヅラしてないで、行くぞ」
と颯爽と俺を越してエントランスに入っていく翔さんは、誰をも拒む要塞の雰囲気にも全く見劣りしない後姿だ。
気後れする心臓をどんと叩いて、「TAM」本社へ一歩踏み出す。
・
集合時間３０分も前では大きな会議室には出演者はまだ来ておらず、スタッフの方々に一通り挨拶をする。一番キャリアがない人間が一番早く来る意味は顔を売ること、とは翔さんの鉄則だ。
「おはようございまーす」
しばらくして聞き覚えのある明るい声と共にドアが開く。
「あ、カズくん！翔ちゃん」
すぐに俺に駆け寄ってくれた相葉さんに挨拶をし、そのまま横に視線を滑らせようとすると、
「翔さん、…やっと会えた」
「…大げさだな」
まるで俺が視界に入っていない松本さんと苦笑いした翔さんとの二人の世界が広がっていた。
あぶないドラマのワンシーンかよ、と心の中でつっこんだところで前も同じシチュなかったか？と思考を飛ばしていると、
「二宮さん初めまして、松本です。よろしく」
スターになるために生まれてきたような自信漂う笑顔で手を差し出された。
「よ、よろしくお願いします」
なんとなく目を伏せながら手を握っていた。
・
今回のテーマは刑事モノ。００７のようにとにかくスタイリッシュに、リアルな世界観で二人の刑事を描いていく。
俺の役どころは冷静沈着で頭脳明晰だが非情な性格、対して松本さんは行動が先立ち戦闘能力の高いが短気な性格。一見対極の二人が絶妙に事件を解決していく…そうだけど。
「制作側は半年かけた準備期間内でほぼ滞りありません。あとは出演者の方に体を作ってもらって、始めましょう」
始まった顔合わせは初耳のことばかりが飛び交って、へ？と声を上げないで聞いている俺を褒めたいほどだ。
ってかなんで半年前から準備してんだよ、とさも最近出演決まったような言い方していた翔さんの腹黒さに心で叫ぶが、
「ここで弊社取締役の新海から皆さんにご挨拶させて頂きます」
入ってきた人物に部屋の雰囲気が変わった気がした。シルバーグレーの上品なスーツに身を包み、通った鼻筋や瞳の力強さに年齢を感じさせないその人は、ゆっくりと部屋を見渡した。
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こう(プロフ) - 結奏さん» 結奏さん、感想頂きありがとうございます！最後までお付き合いくださり、光栄です(^^)とにかく美しき悪魔・翔が書きたく、二宮さんも実はその遺伝子が一緒だった…が伝わっていれば嬉しいです。大野さんは勝手にラスボスになって頂きました。またお付き合いください♪ (2018年4月7日 22時) (
レス) id: 0fd2c64cf7 (このIDを非表示/違反報告)
結奏(プロフ) - こうさんこんばんは。ずっと楽しく読ませていただいておりました。翔さんの考えが読めずどきどきしましたが、翔さんが幸せを手に入れてくれるラストにほっとしました。すべてを分かっていそうな大野さん、さすがです…笑 (2018年3月25日 2時) (レス) id: a836a5dda1 (このIDを非表示/違反報告)
こう(プロフ) - とわさん» はじめましてー！感想ありがとうございます(*^^*)他の作品も読んで頂けてるなんて…本当更新遅くてすみません(今更 ; 最後までお読みくださると幸いです！感想頂けるとかなりやる気でるので、またお待ちしてますー♪ (2016年10月21日 0時) (レス) id: 582833fda4 (このIDを非表示/違反報告)
とわ(プロフ) - こうさん、初めまして。とわ、と申します。こうさんの作品をずっと前から読ませていただいていました。涙なしには読めないような作品もあれば、今回のようにドキドキする作品もあり、本当に作品の幅が広い方だなと勝手に感動しておりました。続きを楽しみにしています。 (2016年10月19日 13時) (レス) id: 6912f85516 (このIDを非表示/違反報告)
こう(プロフ) - 碧李さん» 碧李さんっ！感想ありがとうございます♪その胸の高鳴り、大事にしたいです(笑)パラレルに不慣れすぎて私が先が見えてくなってるかもですが（ｵｲ 、読ませないように必死になってます；ﾆﾉﾐﾔさんがこれから大いに振り回されますので彼の目線で楽しんで下さいませ♪ (2015年11月25日 1時) (レス) id: 0740dc5a96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こう | 作成日時：2015年8月17日 20時
